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その6より れいむは朝早く目が覚めた。 今日が来るのを待ち切れず、興奮のあまり、目を覚ましてしまったのだ。 遠足前の子供のようである。 お腹がすいたので、もうこれも食べることも無くなるのだなと、感慨深げにドッグフードに口をつける。 「む〜しゃむ〜しゃ、しあわせ〜〜♪♪」 ここにきて、初めての「しあわせ〜〜」である。 どんなに美味しくても、虐待の後に食べたり、負い目を感じながら食べても、全然幸せになれなかった。 やっぱり「しあわせ〜〜」が出来ると、一日の気分がいい。 その後、れいむは嬉しさを堪え切れず、部屋の中を行ったり来たりしていた。 早くお兄さんが来ないかな? まだかなあ? いつもなら男が来なければ良いのにと思うのに、解放されると分かった途端、現金なものである。 しかし、男は中々やってきてくれない。 無理はない。まだ早朝、夜が明けたばかりなのだから。 試しにまりさとありすに声をかけてみる。 しかし、二匹とも寝ているのか、ちっとも返事を返してくれなかった。 話し相手が居ないのは残念だが、無理やり起こすのは可哀そうだ。 それに、ゆっくりにとって、ゆっくりしすぎることは悪いことではない。むしろステータスだ。 そんなゆっくり出来てるまりさと、これから一生ゆっくり出来ると考えるだけで、体が熱くなってくる。 れいむは無意識のうちに壁に寄り添い、上下に体を擦りつける。 次第に興奮が高まってくるれいむ。 もしかしたら、今日にでもまりさといっしょにスッキリを……と、ここにきて、れいむは火照る体を無理やり押さえつけた。 気分が高まってしまい、うっかりと一匹スッキリをしてしまうところだった。 そんなことをしなくても、これからはいつでもまりさと一緒にスッキリをすることが出来る。 こんなところで一匹で寂しくしていることはない。 れいむは、高まる興奮を無理やり押さえつけるため、毛布に包まり目を閉じた。 一匹で起きているから、抑えきれないのだ。 男が来るまで、二度寝するに限る。 初めは興奮してなかなか寝付けないれいむだったが、元々昨夜は十分な睡眠が取れていなかったのだ。 れいむは、すぐに夢の中へと吸い込まれていった。 「おきろ、れいむ」 誰かのれいむを呼ぶ声によって、れいむは目を覚ました。 毛布からモゾモゾ出てきて、声の主を確認する。 それは、今まで虐待を繰り返し、今日ここから出してくれるといった男であった。 男は部屋を開けて、れいむの部屋に入っていた。 「ゆっ!! ゆっくりおはよう!! おにいさん!!」 「ゆっくりおはよう。呑気だな、敵である俺に挨拶をするなんざ……」 「ゆゆっ!! そうだったよ!! れいむ、ゆっくりまちがえたよ!! ゆっくりおはようしないでね!! おにいさん!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 男は、れいむを適当にあしらう。 「さてと、れいむ。今日は何の日か覚えているな?」 「ゆっ!! おぼえてるよ!! れいむたちが、おそとにでられるひだよ!!」 「そうだな。今日はお前をここから解放してやる日だ。ただし、出る前にやってもらうことがある」 「ゆゆっ!!」 れいむは焦った。 すんなり出してもらえると思っていたのだ。 もしかしたら、出るために条件でも出されるのだろうか? それとも、出る前に虐待をさせるのだろうか? しかし、そんなれいむの不安そうな表情にピンと来たのか、男は「安心しろ」と言葉をかける。 「今日お前を虐待する気はない。ただ、外に出る前にやってもらうことはあるがな」 「やってもらうこと?」 「ああ。まあ、それは後で教えよう。問い合えずこの箱の中に入れ?」 そう言って男は、いつも虐待部屋とこの部屋を渡るときに使っていた木箱を、れいむの前に置いてくる。 「ゆぅぅ……」 木箱を見せられて怖気づくれいむ。 虐待はしないと言っていたが、やはりこれを見せつけられると、不安が押し寄せてくる。 しかし、男に逆らいでもしたら、折角出られるチャンスを不意にしてしまうだろう。 れいむは仕方なく木箱の中に入った。 男は木箱の蓋を閉めると、「どっこらせ」と掛け声をかけて、れいむを持ち上げ運び出した。 そして、目的の部屋に連れて来ると、れいむを木箱から出してやった。 部屋を見渡し、青ざめるれいむ。 そこかしこに散らばている虐待道具。 あの悪夢のような動く絵を見せる箱。 そこは、もう二度と来たくないと思っていた虐待部屋であった。 「な、なんでここにくるのおおおぉぉぉぉ―――――――!!!! もうぎゃくだいはじないっでいっでだのにいいいぃぃぃぃ――――――――――!!!」 れいむは男に向かって叫ぶ。 男は、そんなれいむを宥めるように、淡々と説明を告げてくる。 「落ち着け、れいむ。さっきも言ったが、今日は虐待はしない。ここに連れてきたのは、まりさとありすに会わせるためだ」 「ゆゆっ!!」 そう言えば、まりさとありすにまだ会っていなかった。すっかりと失念していた。 「ゆっくりはやく、まりさとありすにあわせてね!!」 「今連れてくる。ここで待ってろ」 男はれいむを置いて、部屋を出ていった。 早くまりさに会いたい。早くありすの顔を見たい。 れいむは、落ち着かなかった。 数分後、男は両脇に何かを抱えて、部屋に戻ってきた。 何かと言うのは、男が抱えているのが、真っ黒な布を被せてあり、四角い形をしているので分からなかったのだ。 しかし、れいむにはピンときた。 形からして、男が持っているのは箱。その中に、まりさとありすが入っているに違いない。 箱が布を被っている理由は分からないが、れいむは気にしなかった。 男がれいむの目の前に、二つの箱を置く。 そして、れいむに目を向けた。 「れいむ。この中に、まりさとありす入っている」 「ゆっくりしっていたよ!!」 「今から会わせてやろう。お前が待ちに待った瞬間だ」 男はそう言って、両箱の布に手をかけた。 「この布を取れば、お前は二匹に会うことが出来る。心の準備はいいか?」 「ゆっ!! ゆっくりはやくあわせてね!!」 「準備はいいようだな。それじゃあ、2か月半ぶりにご対面だ。ごかいちょう――――――――――――!!!!」 男は勢いよく布を持ち上げた。 れいむは初めて会って以来、久しぶりに二匹の顔を見ることが出来た。 待ちに待った瞬間だった。 だったのだが…… 「…………ゆっ!? ゆゆっ!? ゆ……ゆゆ………ゆぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――――!!!!」 そこにいたのは、確かにまりさとありすだった。 しかし、透明な箱の中に入っていた二匹は、れいむの記憶にあった面影がほとんど残っていないほど凄惨なものだった。 これが本当に、あのまりさとありすなのか? 二匹の髪は、無理やりむしり取られたような跡がたくさんあり、所々禿げあがっていた。 まりさなど、毛より地肌の部分が多いくらいであった。 もっちりと張りのあった皮は見る影もなく、皺々でかさかさ。 余りに乾燥しすぎていて、所々ヒビ割れを起こしている。 両者とも片目が抉り取られており、その部分はポッカリと空洞が出来ていた。 歯も無理やり抜き取られたようなところが、たくさん見える。 足に当たる底辺は、焼かれてしまったのだろうか? 真っ黒になって、もう使い物になりそうもない。 もはやまりさとありすの面影など、殆ど残っていなかった。 美ゆっくりであったまりさも形無しである。 それでいて、れいむがすぐに二匹だと気づいた理由。 それは、帽子とカチューシャのおかげであった。 体は凄惨な状態でありながら、二匹の帽子とカチューシャは、れいむが初めて会った時の状態そのままであった。 ゆっくりは、飾りで相手を特定する。 一切無駄な皺のない帽子、光沢を放つカチューシャ。 それは、間違いなく二匹の付けていた物であった。 れいむは、二匹のあまりの状態に、アングリと口を開けたまま放心した。 その様子を見た男が、面白そうに声をかけてくる。 「どうだ、れいむ。久しぶりに会った感想は?」 「な、な、な、な、なんでえええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――――――!!!!!」 「なんでって何がだ?」 「なんでまりざがごんなめにあっでるのおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――――――!!!!!」 「こんな目にと言われてもなあ……二か月半ずっと繰り返してきたことだし」 二か月半繰り返してきた? あり得ない。あり得るわけがない!! 確かに虐待は受けてきた。しかし、三匹とも同じ虐待を受けてきたのだ。 それなのに、れいむは殆ど傷がなく、まりさとありすはこうもボロボロになっているのだ? 「どうやら、訳が分からないことだらけのようだな。ま、取り敢えず、まりさとありすを起こしてやろう」 男は透明な箱の蓋をあけて、まりさとありすを思いっきり拳を叩きつける。 辛そうな表情で寝ていた二匹は、それによっていきなり目を覚ます。 「ひぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ――――――――――――!!!!!」 「ゆぎゃああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――!!!!!」 断末魔の様な悲鳴を上げながら、無理やり覚醒させられる二匹。 しかし、男は起きたにもかかわらず、面白そうに二匹を殴り続けた。 「やめでえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――!!!!!」 「ごめんなざい!! ごめんなざい!! ごめんなざい!! ごめんなざい!! ごめんなざい!! ごめんなざい!! ごめんなざい!! ごめんなざい!!!!」 二匹の必死の懇願に、男はようやく暴力を働くのを止めてくれた。 そして、二匹に向かって、口を開く。 「お前たち、目の前を見てみろ。お前たちが会いたがっていたれいむが、すぐ目の前にいるぞ」 男はそう言って、れいむを指差した。 二匹はびっくりしたような表情で、男の指す方に目を向ける。 「遠慮なく語り合え。俺は一切手を出さん」 れいむは、変わりに変わってしまった二匹のことを見てるのが辛く、つい目を背けてしまいそうになった。 しかし、それでも何とか勇気を振り絞って、二匹から目を離さなかった。 例え、姿は変わってしまっても、まりさはれいむの婚約者である。 どんなに変わってしまっても、れいむはまりさを愛していた。 そして、ありすは親友である。 自分を恨むどころか逆に祝福して貰い、その後も親友でいてくれると誓ったありすである。 二匹がいなければ、れいむはここまで生きていられなかっただろう。 心が折れていただろう。 目を背けられす筈がなかった。 「まりざっ!! ありずっ!! じっがりじでええぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――!!!!」 れいむは、心の底から呼びかけた。 しかし、れいむに帰ってきたのは、思いもよらない罵声であった。 「れいむ―――――――――!!!! きざまのぜいでえええぇぇぇぇぇ――――――――!!!! きざまのぜいでええぇぇぇぇぇぇ――――――――!!!!」 「じねええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――――!!!!! れいむうううううううううぅぅぅぅぅ―――――――――――!!!!」 「ばりざざまが、ごんなめにあうのは、きざまのせいだああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――!!!!」 「どがいはのびぼうをがえぜえええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――――――!!!!」 「ゆっ!! ま、まりさ!? ありす!?」 なぜ自分が罵声を受けるのか分からないれいむは、二匹のあまりの様子に困惑した。 自分はまりさの妻なのだ。なのに、なぜ罵倒される? ありすは親友のはずだ。なのに、ありすもれいむを責めてくる。 しかも、れいむのせいとはどういう意味だ? 都会派の美貌を奪ったのは、れいむだというのか? 訳が分からなった。 「ま、まりさ!! ゆっくりちゃんとみてね!! れいむだよ!! まりさのおよめさんのれいむだよ!! ありす!! ゆっくりれいむのこえをきいてね!! ありすのだいしんゆうのれいむだよ!!」 考えに考えた末、二匹は勘違いをしているという結論に至った。 れいむと出会ったのは、初日だけだ。 もしかしたら顔を忘れてしまったのかもしれない。 片目では、うまく見えないのかもしれない。 でも、れいむの声を聞けば、ゆっくり理解してくれる。何しろ、毎日のように壁越しに語り合ったのだから。 しかし、れいむの希望はまたしても打ち砕かれた。 「だれがおよめざんだああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――!!!!! きざまのようなきだないゆっぐりが、まりざざまのおよめざんなわげ、ないだろおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――!!!!」 「どかいはのありずが、おまえのじんゆうなわげないでじょおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――――!!!!! いながものはじねえええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――――――――!!!!! ずっきりざぜろおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ―――――――――――――――――!!!!!!」 れいむは耳を疑った。 一体二匹とも何を言っているのだ。 れいむはまりさのお嫁さんではないか!! れいむのプロポーズを受けてくれたではないか!! ありすはれいむの親友でしょ!! 田舎者なんて、一度も言われたことないよ!! それに、スッキリさせろって、そんなレイパーみたいなこと言わないでよ!! れいむの知っている二匹は、決してこんなことを言うゆっくりではなかった。 男に無理やり言わされているのだろうか? いや、れいむがこの身に受ける呪詛にも似た言葉は、間違いなく真実であると語っている。 二匹は心の底から、れいむを憎んでいる。 となると、二匹はもしかしたら偽物……!! 「おにいさん!! このまりさとありすはにせものだね!! ゆっくりほんとうの、まりさとありすをかえしてね!!」 れいむは男に振り向き叫んだ。 こいつ等が偽物であると確信した理由。それは帽子である。 前述の通り、ゆっくりは飾りで個体識別を図る。 二匹はこれでもかというほどボロボロにされているのに、何故か飾りだけは新品同様である。 最初から不自然だと思ったが、偽物なら納得が出来る。 大方、男がボコボコにした偽物に、本当のまりさとありすの飾りを付けたのだろう。 だから、目の前にいるのは二匹だと感じても、その正体は偽物なのだ。 「なぜ、偽物だと思う?」 「かんたんだよ!! ぼうしだけきれいだよ!! きっとにせものに、まりさのぼうしとありすのかちゅーしゃをつけたんでしょ!!」 「ほう、そこに気付くか。やはり、お前は頭がいいな」 男は感心したような表情を見せる。 れいむは確信した。やはり、自分の考えは正しかったと。 「ゆっくりはやく、ほんとうのまりさたちをつれてきてね!!」 れいむを男を急かす。 こんな偽物に合わせていったい何を企んでいたのかは知らないが、もう種はお見通しだ。 しかし、男はれいむの言葉を聞かなかった。 未だにギャアギャアとれいむを罵倒している二匹の顔面に、思いっきりパンチを叩きこむ。 静かになった二匹を見て満足した男は、部屋の隅にある虐待道具置き場に近づいていく。 そして、ある道具を引っ張り出してきた。 「ゆうううぅぅぅ!!!!! きょうはぎゃくたいしないっていったでしょおおおおぉぉぉぉぉぉぉ―――――――――――!!!!」 「安心しろ。虐待の為に出したわけじゃない」 れいむを怯えさせた物。 それは、かつて幾度となくゆっくりの凄惨な虐待風景を見せつけた悪魔の箱、“てれびじょん”と“べーた”であった。 男はそれに一本のテープを挿入し、れいむに見ろと命令をしてくる。 拒むれいむだが、「虐待されたいのか?」という男の一言に、聞かざるを得なかった。 仕方なく、映像に目を向けるれいむ。 「ゆゆっ!! まりさ!!」 そこに映っているのは、虐待風景ではなかった。 しかも、れいむが愛した本当のまりさが映っている。 映像は男がまりさを抱えて知らない部屋に入ってくるところからスタートする。 まりさは男に抱えられたまま、泣き続けている。 見ている方が気の毒なほどの泣きっぷりだ。 しかし、次の瞬間、「まりさ、もういいぞ」と男が声をかけると、いきなりまりさは泣きやんだ。 『ゆゆっ!! まったく、なきつかれたんだぜ!!』 『みごとな演技だったぞ、まりさ』 『あたりまえなんだぜ!! まりさはめいじょゆうなんだぜ!! なきまねくらいかんたんなんだぜ!!』 『おお、怖い怖い』 『それにしても、あのれいむのかおったらなかったんだぜ!! かんぜんに、まりささまにほれていたんだぜ!! みのほどをしれなんだぜ!! このまりささまが、あんなきたないゆっくりをあいてにするわけないんだぜ!! ばかなゆっくりはこれだからこまるんだぜ!!』 『まったくその通りだな。ははは!!』 『ゆっへっへっへっへっへ!!』 『取り敢えずありすがくるまで、菓子でも食ってろ』 『ゆっ!! わかったんだぜ!! むーしゃむーしゃ、しあわせ〜〜〜♪♪』 ……自分はいったい何を見ているのだろう? 箱に映されているのは、見間違いようのないまりさその物であった。 美ゆっくりであるのは間違いない。その美しさは、紛れもなく本物だ。 しかし、れいむの知っているまりさとは、明らかに別物であった。 まりさはあんな嫌な目をしていない。 まりさは、決して「だぜ」なんて、不良言葉を使わない。 まりさは、あんな汚らしい笑い方をしない。 まりさなわけが……まりさなわけがない……… その後、映像に砂嵐が出た後、場面が切り替わった。 そして、男がありすを抱えて、部屋に入ってくるシーンが映される。 ありすもまりさ同様泣いていた。 しかし、男が言葉をかけると、これまたまりさ同様、ピタッと泣きやんでしまった。 『ゆう!! なきすぎて、かおがめちゃくちゃになってしまったわ!!』 『済まなかったな、ありす』 『まったくよ!! とかいはのありすに、こんなえんぎをさせておいて、やすくすむとはおもわないことね!!』 『へいへい、分かってるよ。報酬はしっかりと払ってやる』 『ちゃんと、そこのまりさのように、きれいにしてくれるんでしょうね!!』 『してやるとも。安心しろ』 『おい、じじい!! まりささまのほうしゅうも、わすれるんじゃないんだぜ!!』 『分かってる。お前は、美ゆっくり100匹だったな。しかし、そんなにゆっくりを集めてどうするんだ?』 『ゆっへっへ!! きれいでかわいいまりささまの、すっきりよういんにしてやるんだぜ!! えらばれたゆっくりも、こうえいなんだぜ!!』 『まりさばっかりずるいわ!! ありすにもゆっくりをいっぱいよこしなさい!!』 『はあ? お前の報酬は、美ゆっくりに整形することじゃなかったのか?』 『とかいはのありすに、あれだけのえんぎをさせておいて、それだけですむとおもわないことね!! それだけじゃ、だいじょゆうのありすにはすくなすぎるわ!!』 『お前もゆっくり100匹かよ。そんなに集めてどうする……って、聞くまでもなかったな。お前レイパーだもんな』 『そんなねもはもないことをいわないでちょうだい!!』 『いや、根も葉もあるだろ』 『とかいはのありすがあいしてあげてるのよ!! あいては、ゆっくりかんどうするにきまってるわ!!』 『正しくレイパーの言葉だな……』 『それにしても、あのへやにいたれいむ、いなかくさいったらなかったわ!!』 『ゆっへっへ!! あのれいむ、このまりささまに、ほれてたんだぜ!! まったくばかなれいむなんだぜ!!』 『だいたいいなかれいむのくせになまいきなのよ!! このとかいはのありすに、がっかりしたようなかおをしたのよ!! いなかもののれいむのくせに!!』 『ほんとうのこというなだぜ!! あんまりいってやったら、かわいそうなんだぜ!! ゆっひっひ!!』 『ゆっくりはやく、いなかもののれいむが、がっかりするところをみたいわ!! だまされてるともしらないで、どんなかおをするのかしら!!』 『おい、じじい!! まりささまにも、れいむのはずかしいすがたをみせるんだぜ!! おもいっきりばかにしてやるんだぜ!!』 『ああ、見せてやるとも。お前らには、重要な役割が残っているんだからな』 またもや映し出されるのは、あり得ない映像。 そこの出てきたのは、れいむの親友であるはずのありすであった。 しかし、ありすでは無かった。 ありすは優しく、他者を思いやるゆっくりであった。 なのに画面の中のありすには、そんな姿は微塵も見られなかった。 田舎者と何度も口にしたことも引っ掛かる。ありすは、田舎者などと滅多に他者を馬鹿にしたりはしなかった。 何よりもおかしいのは、レイパーの件。 ありすはレイパーを憎んでいるはずだ。 なのに、そのありすが率先してレイパーの発言をしているとは、いったいどういうことなのだろう? まりさの顔をした誰かと、ありすの顔をした誰かが、画面の中でれいむを馬鹿にしている。 れいむにはそう感じられた。 次に、画面の中の男の顔が大きくなった。アップ撮影に切り替わったらしい。 男は画面の中で『コホン』と一度咳払いをすると、カメラ目線で、淡々と事の次第を説明してきた。 『ああ、れいむに告げる。あ、いや、その前に、まだ家の出来ていないれいむにと言わないとな。自分のことだと分からないと困るしな。 家の出来ていないれいむの為に、この映像を用意する。れいむ、初めに言っておこう。この映像は、すべて真実である。 俺の虐待が成功したなら、お前はきっとこの映像が信じられないだろう。しかし、くどいようだが、映像は真実である。 これを撮ったのは、森からお前を連れてきたその日である。おそらくその時のことは、よく覚えているだろう。 お前の前に、まりさとありすが違う部屋に連れていかれたはずだ。最初の映像は、連れていかれた後の光景である。 実はまりさもありすも、その日は虐待されなかったのだ。虐待されたのは、おまえだけだ。と言っても、お前を虐待するのは今からだがな。その証拠がこれである』 そう言って、男が映像の中から消えると、突然、画面が揺らぎだした。 男がカメラを抱えて、まりさとありすにレンズを向ける。 そこには、口元にお菓子のカスをベタベタ付けた二匹が、ふてぶてしい表情で写っていた。 『お前たち、れいむに一言何かコメントしろ』 『ゆっへっへ!! ばかなれいむにおしえてやるぜ!! さっきのはぜんぶえんぎなんだぜ!! ばかなれいむは、ゆっくりだまされたんだぜ!! それから、れいむはきもちわるいんだぜ!! まりささまがかわいいからって、もうそうはたいがいにするんだぜ!! それじゃあ、れいむ!! じじいにいじめられて、ゆっくりしぬんだぜ!!』 『れいむ!! あなたってほんとうにいなかものね!! からだには、つちがいっぱいついているし、とってもくさかったわ!! とかいはのありすとは、ぜんぜんつりあわないわね!! あなたなんて、すっきりさせてあげるのもごめんよ!! ゆっくりしんでちょうだいね!!」 『と、こう言う訳だ』 再び男が画面に映る。 『初日、お前が虐待されている間、こいつらは見ての通り、とてもゆっくりしていたのだよ。残念だったねえ、れいむ。 でも、がっかりする必要はないよ。何しろ、君にとっては、三匹全員が虐待されているのと変わりないのだから。 君はこれから、俺によって三匹全員が虐待されたと思い込むはずなのだから。あ、でも、この映像を見ている時は、それを知っちゃうんだよね。ご愁傷様、れいむ!!』 男は、そこで映像を止めた。 そして、れいむに振り向き、一言呟いた。 「という訳だ、れいむ」 「……」 れいむには、訳が分からなかった。 一体、何がどういうことなのだ? れいむの婚約者のまりさが、あのゲスまりさ? れいむの親友のありすが、あのレイパーありす? それじゃあ、そこでボロボロにされている二匹は、本物のまりさとありすってこと? れいむはずっと騙されていたってこと? 最初から騙されていたってこと? でも、それじゃあ毎日れいむとお喋りしていたのは、いったい誰? それに、なんでまりさとありすが、ボロボロにされているの? 何もかもが、れいむの理解の範疇を超えていた。 「ふむ、だいぶ状況が分かってきたようだな。いや、逆か。情報が整理しきれなくて、混乱しているか。なら、そろそろ種をお見せしよう」 男はれいむの前に行くと、れいむに手を伸ばし、自分の脇に抱え込んだ。 「ゆ、ゆっくりやめてね!! れいむをゆっくりおろしてね!!」 「安心しろ、今日は苛めないって言ったろ。お前にすべて教えてやるよ。すべてな」 男はそう言って、部屋の扉を出た。 その8へ
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ゆっくり教 3KB 注意 ※地方によって著しく生態が違うゆっくり(場所によっては何も食わなくても平気で生きられるゆっくりが居る事もある)が居る世界の話です 19××年。 ゆっくりが何処からともなく世界に現れ、人々を困惑させた時期。 「これで金儲けできるんじゃね?」 一人の若者がそう考え、その考えを実行に移した。 『ゆっくりは神の御使いであり、ゆっくりが目で見た物、耳で聞いた事の全てが神に伝わっています』 ゆっくり教なる新興宗教が日本の何処かで出来上がった。 聖書をパク……若者なりの解釈をして、ゆっくりを混ぜ込んだ奇怪極まる宗教。 そのパク……引用して作り上げられた、ゆっくり教の有名な言葉を一つ挙げよう。 『ゆっくりに見せるために、ゆっくりに善行をするよう気をつけなさい。そうでないと、天に居られる我等が神から、報いが受けられません』 ゆっくりをゆっくりさせれば死後に天国に行ける、との因果関係が不可解な教え。 だがこれが流行した?何故か? まだ世間によく知られていない摩訶不思議なゆっくりの生態に加え、日本に終末論が流行っていた事もあったのか? 熱病に冒されたように、ゆっくり教は信徒を増やした。 …………………… 何処かの街にある一つの建物。 ゆっくり教団が構えている教会の一つである。 外から見える部分は簡素で、中から見える所も簡素、取り柄と言えば大きさだけな建物。 中では一人の男性信者が数匹のゆっくりに供物捧げていた。 「そろそろ時間ですね、ゆっくり様。お受け取りください」 「むーしゃむーしゃ、しあわせ~」 男性信者のゆっくりに対する供物は、ゆっくり教が教える基本的な善行の一つだ。 供物を与えられ、笑顔で食べるゆっくりと、それを笑顔で見る信者。 そこに…… 「ゆはぁゆはぁ…ここがゆっくりきょうかいだね」 「ゆへぇゆへぇ…ここならゆっくりできそうだよ!」 れいむとまりさが現れた。 ゆっくりにしては辛い長旅だったのだろう。息を荒げて疲労困憊の様子である。 ゆっくり教を聞いてやって来たゆっくりなのだろう。 荒げていた息を落ち着けると、信者の目の前にぽよんぽよん跳ねて来た。 「これはこれは…ゆっくり様、遠くからお出で頂……!?」 にこやかに対応しようとした信者の顔が凍り付いた。 原因はまりさの帽子から現れた子ゆっくり達である。 「れいみゅおにゃかすいちゃよ」「おにいしゃんのおうちにもどらにゃいの?」 「いまからあまあまをもらうからなかないでね」 あまあまをもらうと聞いて、表情を更に険しくする信者。 それに気付かぬ母れいむは、愚図る子ゆっくりに優しく語り掛ける。 父まりさは安心させるように子ゆっくりの顔を舐めようとして――― 「なかないでねおぢ!!!???」 信者に踏まれた。 強烈なストンピングに内容物の半分が噴出。床に盛大に餡子を散らしながら絶命。 突然のあんまりにもあんまりな攻撃に、母れいむが絶叫しようとした所を。 「悪魔め!この世から去れ!」 激した信者の言葉と共に踏まれ、父まりさの後を追う事となった。 「ぴゃぴゅ!?」「れいみゅぴゃ!!?」 最後に何かいえた子ゆっくりも親と一緒に床の餡子になった。 「ゆっくり達を真似た悪魔め!地獄で永劫の苦しみを味わえ!」 床に転がる餡子の残骸に吐き捨てると、信者はモップとバケツを取りに行くためその場を去った。 …………………… 来るゆっくりは全て拒まず受け入れる。 それがゆっくり教会だが、例外もあり…… ゆっくり教では、子を産むゆっくりの存在を認めていない。 ゆっくり教の教えでは、神が遣わしたゆっくり達は単体で完結しており、増える事が無ければ減る事も無い。 それに、人間の行いを見て聞くだけのゆっくりは、人間に向かって何かを要求する事も無いのだ。 それから外れたゆっくり達は、ゆっくり教の中では悪魔として定められている。 「ゆっくりを騙り人間を堕落させる存在」 あのゆっくり親子は、その例外だったのだ。 ―――――――― 信者はゆっくりが売られているペットショップを、世界中に悪魔をばら撒いてる所だと認識。 ペットショップにペンキをぶちまける過激派もいるそうな。 前作 『ふたば系ゆっくりいじめ 84 暇人二人の旅行』 『ふたば系ゆっくりいじめ 79 暇人二人のゆっくりいじめ』 『ふたば系ゆっくりいじめ 64 酷い暇潰し』 【ふたば系ゆっくりいじめ 58 ドスまりさがぶっ殺される話】 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 原始ゆっくりが居るのか!? だったら崇拝者がいるのも分かるなww -- 2018-01-24 14 17 14 なかなかイイ新興宗教だww -- 2014-03-18 18 28 25 こいつら迷惑な集団だな -- 2012-12-12 21 44 55 ある意味すげぇwwwww -- 2011-12-23 10 13 46 すごい世界だな -- 2011-05-28 15 13 59
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(ゆっくりできないあいつ) れいむは待っていた。もうすぐあいつが来る時間。ゆっくりできないあいつがやって来る。 れいむはじっと待っている。今日こそ、今日こそあいつをゆっくりさせてみせる。 れいむと飼い主のお兄さんがこの町に越してきてから2週間。だいぶ新しい環境にも慣れてきた。 新しいおうちは前のよりも広々としてゆっくりできるし、近所の人達もゆっくりとしたいい人ばかりだ。 だが、ここには以前住んでいた処にはいなかった、ゆっくりできないあいつがいる。 あいつはいつも決まった時間にれいむのおうちの裏を通る。 真黒な体。その体と同じ真黒な煙を吹きながら、おうちのすぐ裏を駆け抜けていく。 れいむはいつも呼びかける。あいつが通る度に呼びかける。ゆっくりする様呼びかける。 しかし、あいつは決まって「ゴオオオオオオオオオオオ」という唸り声をあげて、れいむの声を無視して走り去る。 昨日もそうだった。れいむの「ゆっくりしてええええええええ!!!」という叫びはあいつの唸りにかき消された。 そしてあいつは日に何度もれいむのおうちの裏を往復するのだ。「ゆっくりして」と叫ぶれいむをあざ笑う様に。 ゆるせない。ゆるせない。なんだってあいつはあんなにゆっくりしていないのだ。 ゆっくりは素晴らしい。この素晴らしさを皆にも知って欲しい。だかられいむは皆に「ゆっくりして」と呼びかける。 なのにあいつは知らんぷり。れいむの言う事など聞こうともしない。 今日こそあいつに解らせてやる。ゆっくりは素晴らしいんだ。もっとゆっくりするべきなんだ。 大丈夫。今日は秘策を用意している。一晩かけて考えた必殺技。これならゆっくりできないあいつでもイチコロだ。 必ずゆっくりさせられる。そしてゆっくりがどんなに素晴らしいものなのか、ゆっくりと教えてあげよう。 時間だ。あいつがやってくる時間。遠くから微かにあいつの唸りが聞こえてくる。 れいむは駆け上がる。あいつがいつも通る小高い丘の上へ。 最後の一歩。枕木の上にぴょんと着地すると、あいつが来る方へくるりと向き直る。 そして体中のバネを使い天高く跳び上がると、あらん限りの大声で決め台詞を発した。 「ゆっくりしていってね!!!」 ベチャァ!!! end 作者名 ツェ
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※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。二十回は……ちょっとだけ超えそう。 ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。人間から見れば。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※次回から虐待ラストスパート。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』16 目が覚めたとき、しばらくは状況がつかめなかった。 最初に白い天井が見えた。 仰向けのままひとしきり天井を眺めてから、伸びをして起き上がると、 周囲に家族の姿があった。 まりさ種もありす種も全員含めて、 起きているもの、眠っているもの、とにかく十三人全員がそろっている。 「ゆゆっ!?ゆっくりしていってね!!」 考える前に、れいむは挨拶した。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね……」 主に自分の子供たちから挨拶は返ってきたが、元気のない声だった。 「ゆぅ~?ゆっくりしてね!」 しかし、周りを見渡し、自分たちの置かれている状況が飲み込めてくるにつれ、 れいむもなんだかゆっくりできない気分になってきた。 「ゆゆっ?とうめいなかべさんがあるよ!」 自分たち十三匹の四方を、大きくて透明な壁が囲んでいる。 どちらを向いても出口は見当たらず、 体当たりをしたところで壊れてくれるようなものでもないことを、れいむは体感的に知っていた。 「ゆっ……ゆっくりできないきがするよ!! ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 れいむは飛び跳ねて叫んだ。 子供のれいむ達も同調する。 「ゆっくりできないよ!!かべさんはゆっくりどっかいってね!!」 「れいむをここからだしてね!!ゆっくりしないでね!!」 「かわいいれいむがでたがってるんだよおぉ!?なんでむしするのぉ!?ばかなのおぉ!?」 どれだけ叫ぼうと、壁はどいてくれる様子がなかった。 れいむは知っていた。このかべさんはゆっくりできない。 前にもこのかべさんに閉じ込められたことがあった。 そしてその時、自分たちは何をされていたのか。 「ゆぅうううううううううぅ!!?」 不安感がますます膨れ上がっていく。 思い出したくもないトラウマがれいむを焦らせる。 あそこからは逃げ出したはずだ。 あんなゆっくりできないことは、もう終わったはずだ。 「だしてね!!だしてね!!かわいいれいむをだせえぇぇ!!ゆっくりするなぁぁぁ!!!」 暴れているうちに、ガラスケースが一つではないことがわかってきた。 殺風景な白い部屋の中心に、どうやら自分たちはガラスケースに入れられ、テーブルに載せられているらしい。 そして自分たちの右側、部屋の中心部からずれたところにもう少し小さいテーブルがあり、 その上では、小さなガラスケースの中にあのれいむが入っていた。 金色のバッジをリボンにつけたそいつは、 あの施設から脱出するときに案内させたれいむだった。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 挨拶をすると返事が返ってくる。 れいむは金バッジに向かって質問した。 「かわいいれいむたちをゆっくりここからだしてね!」 「むりだよ!れいむもでられないんだよ!ゆっくりりかいしてね!!」 「ゆゆっ!れいむはやくたたずだね!!いいわけしないでどりょくしてね!!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおぉぉ!?」 口論しているうちに、部屋の中に入ってきたものがあった。 「ゆゆっ!!にんげんさんがきたよ!! ゆっくりここからだしてね!!あまあまもちょうだいね!!」 「あまあまちょうだいね!!それからしんでね!!」 入ってきたのは人間だった。 顔の確認もせずにれいむは色めきたったが、やがて顔を確認すると、別の感情から騒ぎ始めた。 「ゆゆゆぅ!!?ごみくずぅぅ!! れいむのおちびちゃんをころしたごみくずはれいむをここからだしてゆっくりしねぇ!!」 「だせぇぇ!!ここからだせぇぇ!!ごみくずぅぅ!! またいたいめにあいたいのかぜぇぇ!!? まりささまはてかげんしてやってたんだぜぇ!!つぎはほんきでおしおきするのぜぇぇ!!」 「はやくだしなさいいいいぃぃぃいなかものおぉぉぉ!!!」 変な棒で体を支えながら入ってきたのは、 かつて自分たちをガラスケースに閉じ込め、とてもゆっくりできない目に逢わせていたゴミクズ。 そのゴミクズを前に、れいむは涸れることのない怒りを爆発させる。 他の家族たちも同じようだった。 あの群れの中で、自分たちはこのゴミクズにたっぷりとお仕置きをしてやった。 そのおかげで、あんな棒をつかなければならないほどよろめいている。 もちろんあんなもので済ませるつもりは毛頭なく、これからも死ぬまでいたぶるつもりだ。 しかしとにかく、言語を絶する暴力にさらされ、たっぷりと訓戒を受けたゴミクズは、 自分たちとの上下関係を理解し、自分たちを恐怖しているはずだ。 ちょっと脅してやればすぐに言うことを聞くだろう。 れいむは確信し、ここから出すように命令した。 「ごみくずはぐずぐずしないでれいむたちをゆっくりここからだしてね!!」 「いやだね」 ゴミクズの答えに、れいむは耳を疑った。 なんだと? もしかしてこの人間は、あれほどのお仕置きをもう忘れたのか? 「にんげんさんがばかなのはしってたけど!ここまでばかだとはおもわなかったよおぉぉ!! ここからだせ!!だせ!!おしおきしなおしてやるからだせぇぇぇ!!!」 「だめだよ。もう出さない。ここでずっと苦しんでもらう。 前に言ったろう?お前たちはもう、永遠にゆっくりできないんだよ」 見ると、ゴミクズのほかにも二人の人間が入ってきていた。 一匹は小さい人間で、あの群れですっきり用人間として飼ってやっていたペットだ。 もう一匹はもっと大きくて、ずっと言うことを聞かなかったのろまなペット。 「ゆっ!おねえさん!ゆっくりしていってね!」 金バッジが箱の中で飛び跳ねはじめ、大きいペットのほうに媚びた声をあげはじめた。 しかし、ペットのほうは黙って見ているだけだった。 「れいむはおねえさんがだいすきだよ!! ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 くにゃりと頭を斜めにかしげ、にっこり笑ってみせている。 しかしペットのほうは、立場をわきまえていないらしく、話しかけてやっているのに返事をしようともしない。 「くそばばあ!かわいいれいむがはなしかけてあげてるんだよぉぉ!?へんじぐらいしてねぇぇ!!」 仲間が無視されているのにたまりかねてれいむは叫んだが、それでも返事は返ってこない。 「はーい、みんな、こっち向いてねー!」 小さいペットが両手を叩いてなにやらわめいていた。 皆がそちらを向くと、小さいペットは叫んだ。 「そっちのゴールドバッジをつけた子は別だけど、 プラチナバッジをつけたこっちのみんなは、これから死ぬまでゆっくりできませーん! 死ぬまで永遠に、痛くて苦しくて気持ち悪くてゆっくりできない目に遭ってもらいまーす。 ゆっくり理解してね♪」 その言葉を聞いた反応はさまざまだった。 「ゆっ!ゆっ!れいむはゆっくりさせてくれるんだね! おねえさんはれいむがだいすきなんだね!れいむもおねえさんがだいすきだよ!ゆっゆっゆ~♪」 自分は助かるという事実に安心してぴょんぴょん跳ねる金バッジ。 「げらげらげらげら!!やれるもんならやってみろだぜぇ!! すっきりさせるしかのうのないくそにんげんがまりささまをくるしめるとか、ぷげら!!」 「ほらほらぁ~♪くるしめてごらんなさぁ~い♪ゆっほほほほほほ!!」 自分よりはるかに劣る生物の妄言をせせら笑うまりさやありす達。 しかし、れいむは笑う気になれなかった。 「くそごみくずぅぅぅぅ!!!なにをいったああぁぁぁ!! れいむたちをくるしめるううぅぅぅぅ!!??そんなこといっていいとおもってるのおおぉぉ!? いっていいこととわるいこともわからないのおおおぉぉぉぉ!!!? あやまれ!!いますぐあやまれええぇぇ!!ぐずぐずするなぁぁぁぁ!!!」 どんなゴミクズだろうと、自分たちをゆっくりさせないなどと言う異常者は許すわけにはいかなかった。 れいむは怒りのあまりわめき続け、他のゆっくり達も同調して怒鳴り散らした。 「は~い、シャラ~ップ♪」 ガァン!! 小さいペットが、鈍く光る棒のようなものを握ってガラスケースに叩きつけた。 大きな音と伝わってきた衝撃に、一同は一瞬委縮する。 「みんな、これ覚えてるかな~?」 そう言って、小さいペットは部屋の隅にある黒い箱を指差した。 黒い箱はそれまで真っ黒なままだったが、その時ぱっと明るくなり、中に何かが映っているのがわかった。 「これは君たちです。二週間前の映像ですよー」 確かにそれらは自分たちだった。 頭の飾りと、そして置かれていた状況の記憶が認識する。 フックで上顎からつり下げられ、歯の抜けた口を限界まで開かされ、トウガラシを詰め込まれて痙攣するまりさ達。 我が子を救うために走り続け、歌いつづけ、様々な終わりなき苦行を強いられているれいむ達。 孫ありすの海の中で休みなく犯されつづける子ありす達。 電極を性器につなげられて際限なくすっきりしつづけるありす。 「ゆんやああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!??」 極限の苦しみのトラウマがまざまざと甦り、れいむ達は絶叫した。 同時に、どうにもならなかったあの無力感が記憶に呼び覚まされる。 この人間共は、今また、同じ苦しみを味わわせるという。 「やべろおおおおおおおおぉぉぉぉーーーーーーーっ!!!」 まりさが叫んでいた。 「まりささまににどとそんなまねはさせないのぜ!!! あれはひきょうなてをつかったからそっちがかったんだぜ!! こんどはそっちがいじめられるばんなのぜええ!!」 「はいはい、じゃあさっさと済ませようね」 小さいペットが箱の中からまりさを掴み上げ、床に下ろした。 「じゃ、かかっておいで。あたしをいじめてごらん」 「ゆっ……ゆっへっへっへ!! くそごみくず!まりさのこわさがわかってないようなんだぜぇ!? まりささまのちからをおもいしらせてや」 「はいはい、時間が押してるよー」 「ゆぎぇべぇぇっ!!?」 たちまちのうちに、まりさが壁に叩きつけられていた。 何が起きたのか理解できなかった。 大きくて強いまりさは、ドスまりさを除けば、ゆっくりの中では一番強いと言っていい。 少なくともれいむはそう確信していた。 しかしそのまりさは、小さいペットの前に、なすすべなく蹂躙されていた。 「ゆびぇ!!やべ!!やびぇっ!!ぼっ!!げらだいでぇぇぇぇばっ!!」 「うん、負けを認めるかなー?」 「みどべばず!!みどべばずがらぼうやべでええええええ!!!」 「はいOK!」 言うが早いか、小さいペットはまりさを掴むと、 さっさとガラスケースの中に投げ込んで戻した。 「はい、他ににんげんさんと戦いたいゆっくりはいるかなー?」 「……………!!!」 一番強いまりさを赤子扱いした相手に対し、名乗りを上げる者はいなかった。 「はいじゃあ、また苦しんでもらいまーす。いいですねー」 そう言い、小さいペットはいまだに映像を流している黒い箱を指差す。 「い!!いやぢゃあああああああぁぁぁぁぁ!!!」 「わっがざんぼういやあああああああああああああゆっぐりでぎだいいいいいいいいいぃぃぃぃ!!!」 「ゆっぐりでぎだいどいやあああああああああいやああああああああああああーーーーーーっ」 「もうべにべにいじべだいでえええええ!!!おでがいじばずうううううううううう!!!!」 「はい駄目でーす。逃げ場はないよー?逆らってもまりさみたいにやっつけられちゃうよー。 君たちにはどうすることもできませーん」 「ゆんやあああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁ!!!!」 なぜだ。 あの時、自分たちは人間たちに逆転勝利し、逆に人間を制裁してやったはずだ。 しかし、今また、どうしようもない窮地に追い込まれている。 なぜ勝てないのだろう。 なぜあの時は勝てたのだろう。 わからない。 しかし少なくとも、今自分たちは、どうあっても勝てない相手になすすべなく苦しめられるしかないことはわかった。 れいむの心を絶望が染める。 絶望に染められた心の中に、ひとつの衝動、疑問が渦巻く。 どうして。 どうして自分たちだけが、こんなひどいことをされなければいけないのだ。 「どぼぢで……………」 「ん、何かな?れいむちゃんどうぞ」 「どぼぢでごんなごどずるのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!??」 絶叫するれいむに、小さいペットは手を叩いた。 「はい、いい質問ですね! あのね、これは罰なんだねー。 君たちが悪いことしちゃったから、お仕置きしてるの。わかるかなぁ?」 お仕置き? こんな下等で野蛮な獣どもが、自分たちにお仕置きするなどという傲慢さも我慢できなかったが、 それ以上に不可解なことがあった。 「れいむなにもわるいことしてないいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 「したよー。したした」 「れいむたちがなにをしたのおおおおおぉぉぉぉ!!? なんでっ!!れいむがっ!!わるいのおおぉぉ!!?むちゃくちゃだよおおぉぉぉ!!!」 「えーとね、根本的なことを言えば、ゆっくり風情が人間をバカにしたことだよねー」 れいむは耳を疑った。 自分たちゆっくりが、人間をバカにした。 それが悪いのか?それが罪なのか? 単なる事実ではないか。バカという言い方だって、人間ごときにだいぶやさしいほうだ。 「ばかでしょおおおおおおおおお!!!? ばかをばかといってなんでわるいのおおおおおおおぉぉぉぉ!!?」 「うん、ところで、それよりもっと問題なのはやっぱり人殺しだよね。 長浜さーん、あと、どうぞー」 「ああ、はい」 小さいペットが声をかけたのはあのゴミクズだった。 ゴミクズは椅子にかけたままで少しの間れいむたちを眺めわたしてから、口を開いた。 「お前たちは俺の子供を殺した」 「ゆっ?」 「覚えてないのかい。俺の奥さんを転ばせて怪我をさせ、そのお腹にいた子供を殺しただろ?」 おぼろげな記憶をたどる。 「ゆゆっ!!にんげんのあかちゃんはおはだがとってもとかいはだったわぁぁ!!」 ありすがぺにぺにを屹立させていた。 忘れられぬすっきりの快感を反芻してよだれをたらしている。 れいむの中にも、忘れかけていた記憶が甦る。 そういえばそんな事をした。 この男のつがいの腹を何度も叩き、子供を出させ、それをありすが犯し。 この男の泣き顔を眺めたときの快感。 まさか。 まさか、まさか、あの時のことを言っているのか? 自分たちをあんな目に逢わせ、死ぬまでゆっくりさせないというその理由が、 まさかあの時のことなのか? 「俺の奥さんは首を怪我して、ずっと眠ったままだ。 人間はあそこを怪我すると動けなくなるんだよ。 そして俺の赤ちゃんは、そこのありす達に犯されて死んだ」 れいむは、自分の耳が信じられなかった。 「だから……」 「うん?」 「だから……だから……あかちゃんをころされたから……れいむたちをゆっくりさせないの?」 「そうだよ。俺はお前たちを恨んでいるし許さない。一生ゆっくりさせないつもりだよ」 一瞬、思考が止まった。 ほぼ真っ白になりかけた視界がぐらぐらと揺れる。 あまりの怒りと、そして呆れが、れいむの体内の餡子を攪拌していた。 そんなことのために。 そんなことのために、この人間共は、れいむ達を憎んでいるのか。 そんなことのために、れいむ達の赤ちゃんを殺したのか。 そんなことのために、れいむ達は死ぬまでゆっくりできなくされるのか。 あまりにも理不尽で、想像を超えていた。 動機と行為がまったくつながっていない。 これではまるでギャグではないか。 このにんげんさんどもはいったいなにをいってるの? なんでそうなるの? 「なにばかなこといってるのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!??」 口が勝手に叫んでいた。 どうしようもなく溢れてくる激情を抑えることができない。 「ばか!!ばか!!ばか!!ばか!!くそばかあああぁぁぁぁぁ!!!! そんなっ!!そんなかんちがいで!!あんなことっ!!あんなっ!!ぜったいにゆるさないよおおおぉぉぉ!!!」 「勘違い?」 ゴミクズが不思議そうな顔をして聞き返してくる。 見下げ果てた。呆れ果てた。こんな白痴どもに道理を説くことさえ空しい。 しかし、無駄とは知りながら、殺された子供たちのことを考えると叫ばずにはいられなかった。 「かんちがいでしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!! なんでっ!!それでっ!!れいむがわるいのおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!?」 「だって、お前………俺の子供を殺しただろう?」 「それがなんだっていうのおぉぉぉぉ!!?ゆっくりちゃんとせつめいしてみろおおぉぉぉ!!!」 「説明しろって……説明しなきゃ駄目なの? え、殺すのは悪いことだろ?」 「っっっっっばかあああああぁぁぁぁああああ!!!!」 取り返しのつかない失敗。れいむは自分を責めた。 人間の呆れるほどの馬鹿ぶりを軽視していたこと。 そして、一番基本的なことをきちんと躾けておかなかったこと。 まがりなりにも言葉を喋る生物なのだから、 そんなことぐらい、本能レベルで理解しているはずだと思っていたのが間違いだった。 低能すぎる人間に常識は通用しなかったのだ。 ほんの些細な教育の手間を惜しんだために、 自分たちは理不尽かつ筋違いの逆恨みを受け、子供たちは殺された。 「ごべんねえええええぇぇぇぇ!!! おぢびぢゃんだぢごべんねええええええええええええぇぇぇ!!! おがあざんがじづげをうっがりじでだがらぁぁぁぁあ!!おがあざんをゆるじでねええええぇぇぇーーーーっ!!!」 「お、おい………」 「ぐぞばがごみぐずううううぅぅぅーーーーーーーーーーーっ!!!!!! ゆるさない!!ゆるさない!!いまごろきづいたってゆるさないからねええ!! よのなかにはとりかえしのつかないまちがいがあるんだよおおおおおぉぉぉぉ!!!」 「あの、何かおかしかったんでしょうか?」 わざわざ言葉にして教えてやらなきゃならないということが、れいむはあまりにも情けなかった。 情けなさ過ぎて気分が萎えそうになるが、恨みを言葉に載せて叫んだ。 「ゆっくりとにんげんさんはちがうでしょおおおおおぉぉぉぉ!!?」 「うん、そりゃぁ、違うよ」 「ぜんっぜんちがううううううううううううううぅぅぅぅ!!! おまえらがじぶんのこどもをころされたからって!! ゆっくりのあかちゃんをころしていいわけないでしょおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!? なんでっ!!そんなことが!!わからないんだあああああああああぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ」 「…………」 「おまえらのあかちゃんが!!さんびきころされても!! もっといっぱいころされても!!もっともっといっぱいころされても!! ゆっくりのおちびちゃんひとりだってころしちゃいけないんだよおおおおぉぉぉぉぉ!!! なんでわからないの!?ぜんっぜんちがうでしょ!? ひとりのゆっくりのおちびちゃんは、にんげんさんのこどもがなんびきあつまったよりゆっくりできるんだよおおおぉぉぉぉ!!」 「……………同感だな。一部を逆にすれば」 「にんげんさんなんかにっ!!いいこととわるいことのくべつがつくわけないでしょおおおぉぉ!! にんげんさんがゆっくりをおしおきしていいわけないんだよおおぉぉお!!ゆっくりりかいしてねえぇぇぇ!!!」 れいむの剣幕に、他のゆっくり達は黙って聞いていたが、 れいむの言葉が溢れだすうちに「ゆっ♪ゆっ♪」と飛び跳ね始めた。 応援しているのだ。 「ふ~ん」 あの小さいペットが何か言っていた。 「そんなにゆっくりって偉いんだ」 「あたりまえでしょおおおおおおおおおおおお!!!」 「人間より偉い?」 「にんげんさんなんかとくらべるなあああああぁぁぁ!!! なんでゆっくりとにんげんさんをくらべるなんてはっそうができるのおおおおおぉぉぉぉ!? にんげんさんよりしたのいきものなんかどこにもいないんだよおおおぉぉ!!!」 「あらら、ずいぶん嫌われてるね。 じゃあ、鳥さんは?犬さんは?魚さんは?」 「とりさんもいぬさんもさかなさんも!ゆっくりよりしただよおぉ!! くだらないしつもんをするなぁぁ!!!」 「この世界の生き物みーんな、ゆっくりより下なの? ゆっくりが一番偉いの?」 「そんなこともしらなかったのおおおおおおおぉぉぉぉ!!? ばか!!ばか!!くそばかぁぁぁ!! こんなにあたまがゆっくりできないいきものが、 ゆっくりとおなじことばをつかうなんてはずかしくないのおおおぉぉぉ!!? もうしゃべるな!!にどとしゃべるなああぁぁぁ!!!」 「ゆっ♪ゆっ♪ゆっ♪ゆっ♪」 「ゆっくり♪ゆっくり♪」 家族たちが人間をせせら笑いながら、リズムをつけて飛び跳ねている。 あの金バッジもケースの中で嬉しそうにぽいんぽいんと跳ねていた。 「じゃあさ、聞くけど。 なんでゆっくりがそんなに偉いの?」 「じぶんでかんがえろおおおぉぉぉ!!! うまれたばかりのおちびちゃんだってそんなことぐらいわかってるよおおぉぉ!!」 「ごめんね、頭がゆっくりできないからわかんないや。 だって、ゆっくりに何の価値があるの? 少なくとも、人間よりは弱いよね。さっきわかったよね。 人間どころじゃなくて、犬にだって鳥にだって、ほとんどの生き物に勝てるとも思えないなぁ。 実際、森の中では強い敵から逃げ回ってるよね?」 「だからなんなのおぉぉ!!? つよいいきものがいちばんえらいなんていわないでねえぇぇ!! そういうのはやばんないきもののはっそうなんだよおぉ!!」 「……意外とまともなこと言うじゃん。 じゃ、ゆっくりの偉いところって何?」 「ゆはあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~………………」 そんなことまで説明してやらなきゃいけないのか。 あまりの馬鹿さに辟易し、れいむは深く深くため息をついた。 「れいむはなんだかばかばかしくなってきたよ………」 「ゆっ!れいむ、がんばるんだぜ!! こんどこそばかなにんげんさんをしつけてやるんだぜ!!」 「ありすもおうえんしてるわよ!!がんばりなさい!! ゆっくりできるとかいはなただしいことをしてるんだから!!」 「おかあさん、がんばってね!おかあさん、がんばってね!!」 「がんばってね!!がんばってね!!れいむのおねえさんにおしえてあげてね!!」 周りのゆっくり達(金バッジ含む)の声援に頷いてみせ、れいむは人間共に向きなおって静かに言った。 「………ゆっくりかんがえてね。 ごみくずはだれのおかげでゆっくりできてるの?」 「うん?」「へっ?」「え?」 白痴じみた表情で、三人の人間は聞き返してきた。 ふん、と鼻を鳴らしてれいむは講義を始めた。 「さいしょからかんがえてね。 おまえたちがゆっくりできるようになったのはいつから?」 「いつからって………別に、覚えてないけど。子供のころから?」 「れいむたちがおまえたちにはなしかけてあげたときからでしょおおぉぉ!!!」 「ええ?」 「………ほんとにおぼえてないんだね。 れいむとまりさがゆっくりぷれいすをみつけたときに、ごみくずがまよいこんできたよね。 かわいいかわいいれいむとまりさをみたしゅんかんに、うまれてはじめてゆっくりできたでしょ?」 人間への憎しみを今は抑え、辛抱強くれいむは諭してやった。 「あのゆっくりをおもいだしてね。 うまれてはじめてゆっくりできたあのよろこびをおもいだしてね。 それをおぼえていれば、れいむにかんしゃするはずだよ!!」 「…………」 「ゆっくりはね、このよのなかで、ゆいいつゆっくりできるいきものなんだよ。 ほかのいきものさんは、にんげんさんだってさかなさんだってとりさんだって、 どれもこれもぜんっぜんかわいくないし、みっともないし、こえもひどいし、せかせかしてるよ。 そんな、ゆっくりをしらないふこうないきものさんたちに、 ゆっくりはかわいいじぶんをみせてゆっくりさせてあげてるんだよ。 どうしてかわかる?ゆっくりはやさしいからだよ!!」 「…………」 「ゆっくりはやさしいから、ほかのいきものがゆっくりできないのがかわいそうなんだよ。 だから、わざわざじぶんのかわいいすがたをみせて、きれいなこえもきかせてあげるんだよ。 そうすると、ほかのいきものさんはうまれてはじめてゆっくりするんだよ。 おまえたちはじぶんでゆっくりできてるつもりかもしれないけど、 そのゆっくりをおしえてあげたのはれいむなんだよ!!」 「…………だから、人間の子供を殺してもいいって事かい?」 ゴミクズが痴呆じみた表情でとぼけたことを聞いてくる。 思わずかっとなったが、れいむは自分を抑えて言い聞かせた。 「ゆっくりをおしえてあげたれいむにかんしゃしないで、 れいむたちのせわからにげだそうとしたから、 それかられいむのかわいいあかちゃんをころしたから! ばつとしてごみくずのあかちゃんをまびきしてあげたんだよ。 おまえたちがわるいんだよ!!おまえがいってるのはさかうらみだよ!! れいむたちのこえをきいて、あかちゃんもみて、すっきりまでみせてもらって、 さんっざんゆっくりしておいて!!なんでそんなことでさかうらみできるのおぉぉ!!?」 「生き物を殺して平気なのか?」 「ゆっくりできないいきものさんなんか、ほんとうはいきてるかちがないんだよ!! ゆっくりできないゆんせいをおくるのはかわいそうでしょぉ!? ころしてあげるのもゆっくりがやさしいからなんだよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 「そうよ!だいたいあのあかちゃんは、 ありすたちのとかいはなあいにつつまれてしあわせーにしんでいったのよ!! にんげんごときがとかいはなあいをうけるなんてとくべつなのよ!?かんしゃしなさいよ!!」 ありすが口を挟んでいた。 ゴミクズは口をつぐみ、椅子の上でうなだれた。 小さいペットも、大きいペットも、何も言わなかった。 「どうしてじぶんをきゃっかんてきにみられないのおぉ!!? おまえたちにんげんなんか!!ゆっくりできないよ!! ぜんぜんかわいくないみにくいすがたでそとをうろつきまわって、なんではずかしくないの!? ぜんぜんゆっくりできないがあがあしたこえでほえて、みっともないったらありゃしないよ!! おまえたちのどこが!!ゆっくりよりえらいっていうんだあぁぁあ!!!」 言ううちに、れいむは再び激しはじめてきた。 「ゆっ♪ゆっ♪ゆっ♪ゆっ♪」 「おかあさんすごいよ!!ゆっくりしてるよ!!かんどうしたよ!!」 「さすがまりささまのおよめさんなんだぜ!!ごみくずたちはぐうのねもでないんだぜ!!」 「とってもとかいはなたんかだったわ!!ほ、ほめてあげてもいいのよ!?」 「にんげんさぁ~ん♪じぶんがどれくらいばかなのかわかりまちたかぁ~?」 家族達はれいむの熱弁に感動し、勝ち誇って飛び跳ねていた。 一方の人間共は、言われながら反論の言葉もなく押し黙っている。 ようやく自分のしたことの重大さがわかりかけてきたらしく、悔悟の表情だ。 しかし許さない。 れいむはぜったいにおまえたちをゆるさないよ。 れいむは慈悲を捨て、厳かに厳罰を言い渡した。 「いまごろはんせいしたっておそいよ!! これから!いっしょう!!ばつをあたえつづけるからね!! もうゆっくりさせてあげないよ!!れいむたちのかわいいかおも、かわいいあかちゃんもみせてあげないよ!! かわいいこえもきかせてあげないし、おうたもにどときけないよ!! これからはれいむたちのかおをみることはゆるさないよ!!ゆっくりぷれいすにあまあまだけおいていってね!! しぬまでゆっくりはんせいしてね!!」 「そうだよ!!にどとうたってあげないからね!!それだけのことをしたんだからもんくないでしょ!?」 「いっしょうあかちゃんみられないよ~♪ くやしい?みたい?でもみせてあげなぁ~い♪」 「どげざしておねがいしたら、またありすのとかいはなすっきりをかんしょうさせてあげようかしら? まあ、ぜったいにみせてあげないけどね!!ばぁーか!!」 「ゆっ!!ゆっ!!きいた?れいむのおねえさん!!」 金バッジが大きなペットに向かって飛び跳ね叫んでいた。 「ゆっくりあやまってね!!いまならゆるしてあげるよ!!れいむはおねえさんがだいすきだからね!!」 大きいペットが、手で顔を覆って泣き崩れた。 それでも許そうとは思わなかった。 これから死ぬまで、一生苦しみ、反省し続けてもらう。 勝利に沸き、飛び跳ねるゆっくり達に囲まれながら、 れいむは毅然とした表情で、自分の犯した罪の大きさに狼狽する人間どもを睨み続けていた。 「いいよ。十三匹いれば充分だしね」 春奈は約束してくれた。 「ママのれいむは勘弁してあげる。 それどころか、世界一幸せなゆっくりの一匹になるんじゃないかな? ゆっくりの幸せなんか人間にはわかんないし、興味もないけどさ」 荷物を詰め込んだ鞄を肩に提げて、私は施設の門前に立っていた。 すぐ先には車が止められ、私が乗り込むのを待っている。 「ママ、これからどうするの?」 「何が?」 「またゆっくりを飼うのかな、てこと」 私は首を振った。 ゆっくりは家族ではなかった。 所詮、私たち人間が力で抑えつけ、服従させていただけだったのだ。 飼われる立場を自ら体験してそれが分かった今、 もはやゆっくりを飼う理由はなかった。 家にはまだ大勢のゆっくりがいるが、 野生に戻る訓練を施してから、みんな森に放すことになるだろう。 今はもう、一切ゆっくりに関わりたくはなかった。 「全部幻想だったってことね」 「まあそうですけど、飼われてたゆっくりはとりあえず快適だったんじゃないですか」 そう言って笑ったのは長浜圭一だった。 私は長浜圭一の顔を見た。 右足にギプスをはめ、松葉杖で痛々しく体を支えていたが、 その表情は不思議なほどに晴れやかになっていた。 始めてここに来て顔を見たときは、暗い酷薄な表情をしていたのだが、 今の彼はとても復讐者の顔には見えない。 「何です?」 「あなたは……まだゆっくりを憎んでるの?」 「俺ですか?うーん。どうかな」 長浜圭一は小首をかしげてみせた。 「もちろん嫌いですし、たっぷり苦しめてやる気でいますけどね。 憎んでるかというと、まあ、そこまで入れ込んではないですよ」 「どうして?」 「同じなんだもの」 明るい声で、彼は笑った。 「あいつらの話を聞いて、ようやく納得ができました。 俺の見たところ、ゆっくりと人間は全く同じです。 己の種族の価値観で全てを裁き、他の種族までもいい個体と悪い個体を選別して管理しようとする。 やってる事は全く同じですよ。たまたまこっちの方が強かった、それだけです」 「…………」 「今まで、俺はどこかでゆっくりを人間扱いしてたんだと思います。 だから、あいつらが「悪意ある人間」に思えて、憎んでました。 たとえそういうふうに育てたのが俺だとしてもね。 でも、あいつら独自の価値観がわかった今、憎めるものじゃないです。 あいつらも俺たちと同じく、種族の本能に従って自然に振る舞っていただけですよ」 「家族を殺されても……?」 「山奥に入り込んで熊に食われたり、海で沖に流されてサメに食われるのと同じですね。 俺達が自然を甘く見ていたということでしょう。 辛いことですが、誰を恨む筋合いもないです」 長浜圭一は、気持ち悪いぐらいに物わかりがよくなっていた。 「でも………計画は遂行するんでしょう?」 「そうです」 「今でも…ひどすぎるとは思わないの?」 「もちろんひどいですよ。 それでも、ひどいとわかっていながらやってきたのが人間でしょう。 あらゆる動物の棲家を奪い、木々を切り倒しながら地球に蔓延する。 自分の身の安全と快適な生活が確保されてから、ようやく他種を愛でる余裕ができる。 あらゆる動物を動物園に押し込んで鎖につないでから、動物愛護を唱えはじめるのが人間というものですよ。 所詮、動物愛護なんてのは個人の趣味、遊びです。俺はそういう趣味はない、それだけです」 長浜圭一の理屈は筋が通っていないように思えたが、 今更それに反論してみせる気力もなかった。 「ママはゆっくりが苦しむのが辛いっていうけどさ、 だったらどうして素直に飼われてあげなかったの? ゆっくりの価値観と幸せを知る貴重なチャンスだったのに」 「…………」 「自分が飼われる立場になってでも、ゆっくりを深く知ろうとする覚悟。 そういう覚悟が、結局ママにもなかったってことだよね。 人間の価値観しか受け入れずに押し付けるしかないなら、 愛護も虐待も、結局やってる事の本質は一緒だと思うな、あたしは。あはは、仲間じゃん」 私と長浜圭一を交互に指差し、春奈はけらけら笑った。 私は返す言葉がない。 それでも、私は、納得しきれず、なんとか声を絞り出した。 「………それでも、ゆっくりと人間は違うわ」 「そうですか?」 「ゆっくりは……生物として弱すぎるわ。 目先の快楽に捉われて、長期的に生き延びる選択肢をとることができない。 人間はそうじゃないわ。社会、歴史というスケールで物事を見て、種族の繁栄を志すことができる。 横暴かもしれないけれど、 人間がゆっくりを飼うことと、ゆっくりが人間を飼うことがお互い様だとは言えないわ」 「どうでしょうかね。 人間だけはそれを言う筋合いはないんじゃないですか」 「………」 「さんざん地球環境を破壊してきて、専門家がどれだけ危ないと警告しても、 先進国の国民や企業は、誰かがなんとかしてくれるだろうと思って誰一人真剣に考えず、日々ゴミを吐き出している。 結局、人類の自滅は目と鼻の先にまで迫っています。数多くの他種の生物たちを道連れにしてね。 ゆっくりに比べれば自分たちは賢いと言ってみたって、所詮はどんぐりの背比べ。 貧しいプライドというものでしょう」 「それは……飛躍じゃない?」 「ご自由に。 あのゆっくり達と同じで、人間も、はたから見れば身勝手な種族の価値観でしたい放題やってるだけです。 俺はただ、人類が少しでも長く生き延びられるように努力するだけですし、 ゆっくりが役に立つとなれば使うだけです。そういう事ですよ」 「……そう」 「あとは、ガキのケンカですね。 俺をナメる奴は許さねえ、思い知らせてやる、そういう衝動です。結局、そこに尽きるね」 長浜圭一はまた笑った。 私は打ちひしがれていたが、それでもなんとか答えた。 「今なら……あなたの気持が、ほんの少しわかるような気がするわ」 「ふざけるなよ」 私はぎょっとして顔をあげたが、長浜圭一は笑っていた。 「ま、お元気で。 あなたにはこういう場所は向かないですよ。早く忘れて、ご自分のお仕事をなさって下さい」 「…………ええ。娘を、よろしくお願いします」 「こちらこそ。娘さんにはお世話になります。 人類を代表して、お礼を言わせていただきますよ」 長浜圭一がうやうやしく頭を下げる。 春奈が手を振っていた。 「じゃ、元気でね。ときどきは会いにいくよ」 「ええ……」 私は頷き、車に乗り込んだ。 運転手がアクセルを踏み、車が走り始める。 私は、二度と後ろを振り返らなかった。 別れ際に春奈が言っていたことが、頭にこびりついて離れなかった。 「断言。ゆっくりを一番ゆっくりさせられるのはやっぱり人間だね。 証明してみせるから、まあのんびり待っててよ。 完璧なユートピアの正体ってものを見せてあげるからさ」 続く
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前 次の日、俺は親ゆっくり達のお互いを罵る罵声と、それを止めようとしている姉妹たちの叫び声で目が覚めた。 「なんでまりさがゆっくりねてるの!?れいむとあかちゃんのためにゆっくりしないでみはってくれないなんてひどいよ!!!!!」 「うるさいんだぜ!!まりさはいっしょうけんめいみはってたけどつかれちゃっただけだぜ!!」 話が見えてきたぞ、多分寝ずの番をすると言っていた親まりさがぐっすり眠っているのを朝起きた親れいむが見つけて喧嘩になったんだろう。 三日前まではあんなに仲が良かったのにね、それにしても俺も含めてお前等の子供はまだ赤ちゃんなんだから喧嘩なんて見せちゃダメだろ。 「「おかーしゃんたちゆっくちちてね!!」」 あー止めとけよ、親れいむも親まりさもイラついてるんだからそんなこと言うと。 「ぷんぷん!!!うるさいんだぜ!!!あかちゃんたちはしずかにしてるんだぜ!!!!」 「「ゆゆ!?ゆぅ~‥」」 「あかちゃんたちにどなったね!!!れいむおこったよ!!!!まりさはあかちゃんたちにゆっくりあやまってね!!!」 「みんなとってもうるさいんだぜ!!!!!まりさはおこったんだぜ!!!!」 あーあ、親同士の喧嘩に油注いじゃったよ。 親れいむも親まりさも、お互いのことを睨みあう。 俺の姉妹は可哀想に、眼に涙をためてぷるぷる震えてやがる。 十秒は経っただろうか、親まりさは巣の入口から外に出て行こうとする。 「まりさどこいくの?!れいむとあかちゃんたちにあやまってないよ!!!」 「…うるさいんだぜ!!‥しばらくそとのくうきをすってくるからそのあいだれいむたちははんせいしてるんだぜ!!」 そう言うと親まりさは外に出かけて行った。 「ゆぅえぇぇぇん!!!ゆぇぇぇん!!まりしゃおかーしゃんのばきゃ~!!!」 「ぷきゅぅぅ~!まりしゃおかーしゃんいじわるだよ!!」 「あかちゃんたちないたりおこったりしちゃゆっくりできないよ!!!まりさのことはいいからみんなでゆっくりしようね!!」 泣きだす姉れいむに膨れて怒る妹まりさ、意外な事に親れいむは地団駄を踏んだり、眼の前にいない親まりさの悪口を言うことなくゆっくりしようと言っている。 「まりさはしばらくしたらおいしいものをもってごめんなさいしにくるよ!!それまであかちゃんたちはれいむとゆっくりしようね!!」 だそうだ、親れいむが言うには親まりさは気性こそ荒く乱暴者で喧嘩は今までも沢山してきたが、 遅くとも喧嘩の次の日には、花や綺麗な小石や美味しい虫に木の実といったゆっくりできるものを持って帰ってくるそうだ、ちょっと意外だな。 その後、しばらく俺はお歌の練習という名の酷い虐待を姉妹たちと一緒に受けることになった。 「ゆぅ~♪ゆ!ゆぅぅ♪ゆぅ~ゆぅ~♪」 「「ゆぅ~♪ゆ!ゆぅぅ♪ゆぅ~ゆぅ~♪」」 「ゆーゆ!ゆゆーゆー!」 「まりしゃおねーちゃんちゃんとうたっちぇね!!じょーじゅじゃないよ!!」 「まりしゃとっちぇもへただよ!!ゆっくちまじめにうたっちぇね!!」 体はゆっくりになっても感性は人間のままだったようだ、ゆっくりの歌は生前と同じように聞いていても不快なだけだ。 それを歌えと言われてもうまく歌えるはずがない、俺のへたくそな歌に姉妹たちは耐えられなかったようださっきから俺に向かってうまく歌え、真面目に歌えと言ってくる。 「ゆ~…たしかにちょっとじょうずじゃないね!!でもまりさはれいむとまりさのあかちゃんだよ!!すぐにじょうずになるからゆっくりしてね!!すーりすーり♪」 「ゆ~まりしゃおね~しゃんだけじゅるいよ!!まりしゃもしゅーりしゅーり♪」 「れいむもしゅーりしゅり♪」 「ゆぅ~♪みんなあまえんぼうだね!!すーりすーり♪ゆっくりしてね!!」 俺は母れいむや姉妹に頬擦りされながら、この不快なスキンシップ合戦が早く終わってくれないかなと考えていた。 「とってもすっきりしたいわ!!ありすのあいがほしいゆっくりのおうちはここね!!!」 唐突に巣の入口からそんな声がした、振り向くとそこにはギラギラした血走った眼に、だらしなく開いた口から涎を垂らしているゆっくりありすが一匹いた、絶賛発情状態と言ったところか。 体は親まりさと同じくらいの大きさで親れいむより一回りほど大きい、幸いにも俺の姿は親れいむに隠れて見えていないようだ。 「ゆぅ?みたことにゃいゆっくちだね!!ゆっくちちていってね!!」 「おねーしゃんゆっくちちていってね!!」 「ゆぅ~♪とってもとかいはなあかちゃんにかわいいれいむね!!みんなありすがたっぷりすっきりさせてあげるわ!!」 親れいむの影から出てありすにニコニコ笑いながら挨拶をする馬鹿な姉や妹は放っておいて、俺はありすに見つからないように慎重に物陰に身を隠してこっそり様子をうかがう。 親れいむや姉妹のゆっくりがレイプされるのは面白そうだが、ありすにレイプされるのは御免だからね。 「ぷくくぅぅ!!あかちゃんたちおかーさんのうしろにゆっくりかくれてね!!!ゆっくりせずにいそいでね!!」 「ゆぅ?なんでおかーしゃん?」 「おかーしゃん!!ちゅっきりってなに?」 「いいからゆっくりせずにかくれてね!!ありすはゆっくりできないゆっくりなんだよ!!!」 「はぁはぁ…つんでれなのね!!!れいむかわいいわ!!!ありすとすっきりしましょうねぇぇぇぇ!!!!!」 親れいむはありすに対して体を膨らませながら威嚇するが、ありすはまるで動じていないむしろ興奮して親れいむに突撃していった。 親れいむは突撃してきたありすをゆっくりにしては軽やかともいえるステップでかわして、体当たりを仕掛ける。 「ゆぅぅぅ!!!!ゆっくりでてってね!!!!」 「びゅぅ‥つんでれはかわいいよぉぉぉ!!!!でもすなおなほうがかわいいよぉぉぉぉ!!!!!すっきりさせてすなおにしてあげるからねぇぇぇぇ!!!!!!!」 「やめてね!!れいむはありすとすっきりなんてしたくないよ!!!」 親れいむの渾身の体当たりはありすの情欲を燃え上がらせるだけだった、ゆっくり同士の喧嘩において体格や体重は、単純なテクニックやスピードよりも大きなウエイトを占める要素だ。 体格がありすより一回り小さく、素早く動けるが体重の軽い親れいむは喧嘩はからっきし苦手だった。 つまり親れいむに百戦錬磨のレイパーありすを倒すことなど不可能だった。 ありすは少し口から垂れたカスタードを舌で舐めとると、親れいむに圧し掛かって体を小刻みに振動させながら頬ずりをし始めた。 無論親愛の表しているわけでもなんでもない、親れいむをレイプしているのだ。 「ゆぁぁぁ!!!!!れいむのほっぺもっちもちのつるつるだよぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」 「ゆ゛ぅぅぅぅ!!!!!!やめて!!!やめて!!!!!ぎもじわるいよ゛」 「おきゃーしゃんいやがっちぇるよ!!ゆっくちやめてね!!」 「ぷくぅぅ!!おきゃーしゃんをいじめるとれいみゅおこりゅよ!!」 体中から甘ったるい匂いのべとべとした液体をまき散らしながら、嫌がる親れいむに体をこすりつけて涎を垂らしながらぶるぶる震えている様は、こう背筋にゾクッと寒気が走る物がある。 人間だったころはありすのレイプをする姿を見て滑稽だと笑ってみていたが、ゆっくりになった身で改めて見ると恐怖と強い生理的な嫌悪感さえ感じる。 「ゆほほほほぉぉぉぉぉぉ!!!!!!れいむきもちいいよ!!!!んほぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!すっきりぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!」 「やべでぇぇぇ!!!!!!でいむずっぎりじだくなぁいぃぃ!!!!!!んんんん!!!!!!!ずっぎっりぃぃぃ!!!!!!!!!」 ありすの一方的で激しい愛撫ならぬバイブは、れいむの体力をどんどん奪っていき強制的にすっきりさせ、頭に望まぬ子供を生やすことになった。 親れいむは疲れ切った体から、栄養を頭に生えたありすの子供達に吸収され見る間にやつれていく、ちょっとしたスペクタクルだ。 「ゆぅ…ゆぅぅ‥とってもくるしいよ…ゆぅぅ…まりさぁ…」 「ありすはまだまだすっきりしたりないわ!!!!そこのあかちゃんたちもありすのあいをわけてあげるわ!!!!!!!!」 「ゆぅぅ!!!!ゆっくちやめてね!!!」 「こっちにこないでね!!!!」 親れいむがありすにレイプされるのを震えながら固まって見ていた姉れいむに妹まりさは、自分達をありすが親れいむと同じ目にあわせようとしている事に気づいて必死に逃げようとした。 しかし素早く近づいたありすに圧し掛かられ、二匹仲良く動きを封じられる。 「んほぉぉぉ!!!!ろりっこかわいいよ!!!!!!ありすがはじめてになってあげるよぉぉぉぉぉ!!!!!!!」 「ゆぇえ…!!くるちいよっ!!ゆっくちどいてね!!!」 「びゅぶ!!!ゆぅ…うぅ~…」 成体のありすに圧し掛かられて、妹まりさも姉れいむも苦しそうだ、特に姉れいむはありすの圧力で口からぼたぼた餡子を吐き出している。 「ゆぅぅぅ!!!!それじゃあいくよぉぉぉ!!!!!!んほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」 「ぎもぢわりゅいぃぃ!!!!!!おがーしゃんだじゅげでぇっぇぇ!!!!!!」 「びゅえぇ!!ぇぇうぇええ!!!!」 「やめて…あかちゃん‥いじめ…ないでね…」 18禁レベルの顔で奇声を上げながらぶるぶる震えて粘液をまき散らすありす、粘液まみれになって泣きながらもがいている妹まりさに、体を圧迫されて液状になった餡子を吐きながら白眼を向いている姉れいむ。 そして眼の前でありすに犯し殺されそうになっている娘たちを泣きながら見つめている瀕死の親れいむ、苦しむゆっくりを見るのは最高だ俺はこの為に生きてるんだよ。 こいつ等を見ていると、俺の饅頭で出来た体が餡子の中心からほっこり暖かくなってきて、本当に安らかで穏やかな満ち足りた気分になる、あぁ~これがゆっくりするということなのか。 「んほぉぉぉ!!!!れいむもまりさもぎもぢいよぉぉ!!!!すっきりぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!」 「いやぁぁぁ!!!!ゆっくちできないぃぃ!!!!!ちゅっぎり!!!!!!」 「ぎゅえ!!!…えぇ!!…ぇぇ」 ありすは姉れいむと妹まりさですっきりすると二匹からどいた。 「ゆっくち…ちた‥かった‥よ…」 ありすの退いた後には真っ黒く干からびた姉れいむと、口とありすの圧力で底部が裂けて出来た傷口から餡子を流して絶命した妹まりさしか残っていなかった。 「ゆっくりきもちよかったわ!!ありすはせかいじゅうのゆっくりをすっきりさせてあげなきゃいけないからもういくね!!ありすのあかちゃんをゆっくりしたこにそだててあげてね!!」 ありすは満足そうな顔でそういうと巣の外に出て行った。 清々しいほどのヤリ捨てだな、まぁ頑張ってゆっくり達に可愛い赤ちゃんを授けまくってくれ、応援してるぜ。 「ゆぅぅ…あかちゃん…れいむのあかちゃん…」 親れいむは黒く干からびてしまった姉れいむと妹れいむの死骸の傍に、這って行こうとしてはいるようだが頭の茎に栄養を吸い取られているのでそれも叶わない。 茎に実った四匹の赤ちゃんゆっくりは全員ありすだが目を覚まして体を揺らし始めている、レイプ型出産のゆっくりありすは茎に実った赤ちゃんの成長が早い、そろそろ生まれてくるのだろう。 さてこの親れいむは絶望しきって泣いているが、俺が実の娘がまだ生きていることを知ったらどんなに喜ぶだろうか?やっぱり俺を産んでくれた大事な母親だ、親孝行してやろう。 俺は物陰から飛び出て親れいむに駆け寄ってやる。 「お母さん大丈夫?」 「ゆぅ!?まりさ!!まりさいきてたんだね!!!ゆぅぅ…しんでいったあかちゃんと‥おかあさんのぶんまでゆっくりしてね!!!!!」 親れいむは大粒の涙を流しながら体を震わせている、よほど死ぬ前に俺の生存が確認できたことがうれしかったようだ。 さて感激と安堵の涙を流している親れいむの頭の上の種違いの我が姉妹、ありす達は親れいむの感激の涙とともに茎から落ちた。 「ゆぅぅぅ!ゆっくちちていってね!!」 「ときゃいはなありしゅだよ!おかーしゃんゆっくちちてね!!」 「おねーしゃんゆっくちちてね!!」 「おかーしゃんゆっくちちてるね!!」 地面に落ちるなり俺と母親に挨拶をする妹ありす達、なかなか元気で礼儀の良い子たちじゃないか。 しかし、そんな素直な姉妹達を親れいむは嫌悪と侮蔑に満ちた目で睨みつけていたが、憔悴しきって死相の浮かんだ顔にふと暗い笑みを浮かべて俺を見るとこんなことを言ってきた。 「ゆぅ‥れいむ…ありすはみんな…ゆっくりできないこだよ…だからありすをつぶして…おかあさんに…む~しゃむしゃさせてね」 なるほどありすに奪われた体力はありすで回復しようということか、優しくて純情な赤ちゃんまりさにそんなことを頼むなんて悪い親だな、 第一それだけ衰弱してちゃ赤ありすの四匹食ったとしても、助かる可能性は二~三割だ、それなら普通は子供を助けるよな。 「ゆぅ?む~ちゃむちゃってなに?」 「ぷきゅぅ~!ありちゅはゆっくちしたこだよ!!」 「おかーしゃんおにゃかへったよ!!」 「ここはときゃいはなおうちね!!ゆっくちちゅるよ!!」 「まりさ…ゆっくりしないで…ゆぅぅ…はやくありすたちをつぶしてね」 母れいむは心底この可愛い四姉妹を嫌っているようだ、頭に生えた茎をこの四匹に与えることは絶対にないだろう、それならこの姉妹は何を食べればいいんだ? 硬いものは親が柔らかく噛み砕いたものでなければ食べられないし、目の前の親れいむは息も絶え絶え、親まりさはいつ帰ってくるかもわからない その間この可愛い妹達にお腹を空かせたまま、死んだ親れいむと寂しく過ごせというのか?姉として俺はそんな事は出来ないな。 この姉妹達は確実に親れいむに愛されていない、帰ってきた親まりさに愛してもらえるかどうかは分からないが、この世に生まれおちた瞬間を祝福されず喜ばれない、それはどれほど辛いことだろうか? その上にこの子達はお腹を空かせているのだ、心はともかく、せめてお腹だけでも満たしてやろうじゃないか。 俺は覚悟を決めると親れいむの前に立ち姉妹達に向かって、おもてなしの真心をこめてある宣言をする。 「さぁ、お食べなさい!!」 次の瞬間俺の体は二つに裂けた、不思議と痛みはなくポカポカと体が温かい。 何故唐突に俺の体が二つに裂けたかというと、妹ありす達に向かって、お食べなさい宣言をしたからだ。 お食べなさい宣言とは、ゆっくりが自らの意志で心から相手に食べてほしいと思った時に言うことで自ら命を絶ち、相手に自分を食べてゆっくりしてもらうための行為だ。 無論自己中心的なゆっくりがこの行動をとることは殆ど無く、老いて死期を迎えた飼いゆっくりや、本当に稀にだが越冬中に子供や連れ合いに自らの体を食べさせるためなど、 本当に稀にしかこの行動は起こらない、しかしその分、さぁ、お食べなさいをされてそのゆっくりを食べないことはそのゆっくりに対する最大級の侮辱となるのだ。 「ゆぅ!!!おねーしゃんがふたちゅになったよ!!ありちゅはいただきまちゅちゅるよ!」 「おねーしゃんゆっくちちたんだね!!ありしゅもゆっくちいきるよ!!」 「おたべなしゃいされたらゆっくちいただきましゅするよ!!」 「ありちゅはゆっくちおねーちゃんをたべりゅよ!!!おねーちゃん!!ゆっくちちてね!!!」 妹ありす達は俺の死に目元を潤ませながらも、自分達のために死ぬことを選んだ優しいお姉ちゃんの尊い志を汚さぬように、俺に感謝して俺の皮や餡子を食べ始めた。 まぁ、たった3日しか生きていない身だが、なかなか楽しい饅生を送れた、せいぜい味わってゆっくり食べてくれ。 「ゆゆゆゆゆゆ!!!!!????あかちゃんなにしてるのぉぉぉぉ!!!!!!!!ゆうぇぇぇぇ!!!!ゆっ~あぁぁぁっぁぁっぁああ!!!!!!!!!」 俺の後ろにいる親れいむは絶望の叫び声をあげている、背中に生温かいものがかかるこれは多分液状の餡子だ。 自分の可愛い赤ちゃんが、自ら進んでありすとの間に出来た忌わしい子共達に食われているのだ、そりゃ餡子も吐きたくなるだろうな。 最後に残ったたった一つの希望、まりさとの間に生まれた可愛い子供がゆっくり生きて大きくなる、 そんなささやかな希望さえ打ち砕かれて、口から餡子を吐きながら慟哭する、そんな死ぬ間際の親れいむの顔が見れないのが残念だ。 「むーちゃむちゃ!!とってもゆっくちできるあじだよ!!」 「まりしゃおねーしゃんゆっくちありがとね!!!」 「ありちゅはおねーちゃんをたべて!!ゆっくちちたとかいひゃになるよ!!」 「おねーちゃんはゆっくちできるよ!!ありちゅはきっととかいひゃになるからゆっくちあんちんちてね!!」 さて俺の妹達はというと、目からぽろぽろ涙を流しながらも、ゆっくり俺の餡子を飲み込んでいる。 餡子が減ってきたせいか、眼が霞んで眠気がゆっくり襲ってくる、俺はどうやら本当にこれから死ぬようだ。 それにしてもお食べなさいで死ぬのはこんなにも満ち足りた死なのか、痛みもなくただ温まった体にゆっくりと眠気が降りてきてまるで縁側で日向ぼっこをしながらまどろんでいるような気分だ。 短かったがなかなか楽しい饅生だった、しかし少しだけ心残りがある親まりさの事だ、俺は親まりさが家に帰ってきてこの光景を目の当たりにする所を見る事が出来ないのが悔しい。 家に帰ると番いと可愛いわが子達の苦悶に満ちた形相の死体を見つけるだろう、勿論家族を殺した憎いありすの子供たちも見つける。 どれ程親まりさは苦しむだろう?悲しむだろう? そして何より親まりさは妹ありす達をどうするんだろうか、怒りにまかせて踏みつぶすのか敵の子共とはいえれいむの赤ちゃんでもあると育てるのだろうか? 俺達の死体と妹ありす達を見ながら、苦しみ葛藤する親まりさを死にゆく俺はじっくり観察できないのが実に心残りだ。 さて、本当に俺は死ぬようだ、俺の記念すべきゆっくりとしての饅生一回目が終わる、かなり不純な動機とはいえ俺はこの身を妹達に食べさせた。 つまり自己犠牲の精神でゆっくりを助けたのだ、これであの閻魔様も俺の地獄行きを考え直してくれるといいんだが。 まぁ、今はそんなこと考えても意味はない、せいぜい後二回あるらしいゆっくりとしての生を虐待ゆっくりとして楽しむとするか。 俺は瞼を静かに閉じ、妹ありす達のしあわせ~の声を聞きながら意識を手放した。 「むーしゃ!!むーしゃ!!しあわせー!!」 俺が目を覚ますと、俺の下で砂糖を舐めているゆっくりれいむがいた。 死んだらすぐにゆっくりに転生するのか、なかなか面白いな。 どうやら今度の俺の体はゆっくりれいむらしい、また普通種か…やっぱりゆふらんとかきめぇ丸に生まれたかったんだが仕方ないな。 それにしてもここは台所の様だ、こいつは飼いゆっくりだったのだろうか? しかしそれにしては体が薄汚れている、嫌な予感がする。 「おい、何してるんだ貴様?」 俺の目の前に眉間に青筋の浮いた強面お兄さんがいる、明らかに怒っている。 「ゆゆ!!おにいさんここはれいむのゆっくりプレイスだよ!!!ゆっくりしていってね!!!」 お母様目の前の素敵なパンチパーマの御人を挑発なさるのは止めていただけないでしょうか? 「おうおうおう!!!!人の家荒らしといてなんじゃそりゃ!!!虐待じゃぁぁ!!!!!!!」 こっちにこないでくれ!!!!助けて愛でお兄さん!!!! BYゆっくりな人 続 このSSに感想を付ける
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書きたかった事 RPGな話題が出てたからそれをモチーフに あいつらもやっぱりこんな感じで進化したんじゃないかと お食べなさいをしたかった あまり苛めてません。ひどい環境下においてみただけ 作者 チェンマガツ 「おにいさんへやがさむいんだぜ!!」 「ゆっくりあたためてね!!」 「「「「ゆっきゅりあちゃちゃめてにぇ!!」」」」 「そういってもなぁ……」 れいむとまりさそしてその子供達合わせて6匹が男の家にはいた。 男はゆっくり達からの文句にほとほと困り果てた。 「お前らが冬の間だけでも住まわしてくれって無理を言ってきたのにそんなこと言える立場か?」 「ゆゆっ、ゆっくりさせてやるっていったんだぜ」 「言ってねえよ」 勝手な記憶改竄はお手の物らしいが男には通用しない。 頭を抱える男はふと良い手段を思い浮かべた。 「ほれ、この中なら寒くなかろう」 「これならゆっくりできそうだよ!!」 「ありがとうおにいさん!!」 男が用意したのは不要になって捨てられていた一組の布団だ。 しかも敷き布団と掛け布団がずれないよう布団の三方を縫い合わせてある。 「飯は寝床の入り口のところに置くようにするから勝手にとっていってくれ」 「「ゆっくりわかったよ!!」」 そういうとゆっくり達は我先にと布団に潜り込んでいった。 「ゆゆ〜んここならさむくないよ」 「しゅーりしゅーりしゅるよ」 「きもちいいにぇ!!」 もぞもぞと蠢く布団からは満足そうな言葉が聞こえてくるので男はそのまま放置した。 さてゆっくりするうちにあっという間に春になった。 「お前らいい加減出てこいよ」男の家中に怒号が響く。 「ゆゆっ、うるさいじじいだね」 「ここはれいむたちのゆっくりぷれいすだよ」 「「「「ゆっくりぷれいすだよ!!」」」」 「春になったら出て行く約束だろうが」 「そんなこといってないよ」 相変わらずの物忘れっぷりに男はあきれ果てた。 まあこうなることは家の中に連れ込んだ時点で想定済みだが、それでも酷いものだ。 男は恩を仇で返すようなゆっくり達にいよいよ業を煮やした。 おもむろにゆっくりの巣の閉じ合わせてなかった最後の一辺を縫い合わせて屋外にある使わなくなった倉庫に放り込む。 「ゆ゛っ!! どぼじでぞんなごとずるの゛おおおお!!」 「ごごがらだじでえええええ!!」 「何を言っても許さないからな。そこでゆっくりすればいいだろ」 そこでゆっくりすればいいだろ。 ゆっくり達にとっては天啓だった。 「そうだね、ここでずっとゆっくりするよ」 「でもごはんがないよ……」 親まりさのゆっくりしすぎた台詞に子供の一匹はさすがに不安の声を漏らす。 「だいじょうぶだよ。いざとなればおかーさんがなんとかするからね」 「まりさもさいごはきちっときめるよ」 両親にはある覚悟が見えるが子供達にはいかなる手段かはわからないでいた。 狭い布団のなかで過ごす家族にとって基本的に運動という運動はできない。 移動は這う事でしかできず、それでも範囲は広くはないため無駄な体力は使わない。 特に大きい親ゆっくり達は冬からの移動量は極々少ないものといえる。 そんな状況でもやはりお腹は減っていくものだ。 梅雨前になるとついに布団の中の家族は限界に達しようとしていた。 「ゆぅ、なにかたべたいよ……」 「おとーさんなんとかしてよ」 「しかたない、こうなれば……」 「まってまりさ、れいむがさきにごはんになるよ」 親れいむの言葉に子ゆっくり達はざわめく。 「おかーさんがごはんってどういうことなの?」 「おかーさんはたべものじゃないよ?」 「みんなゆっくりきいてね。これからおかーさんはみんなとおわかれするけど、 みんながたべてくれたらおかーさんはうれしいんだよ」 「なにいってるのかわからないんだぜ」 「ゆわーん、おわかれはいやだよー」 「ゆっくりできるまりさとれいむのこどもならおかーさんのいうことをきちっときくんだぜ」 母親の突然の別れの言葉と父親の諭す言葉に子ゆっくり達は静かになる。 「そしたらまりさ、これでおわかれだよ。こどもたちをよろしくね」 「でいぶううううう、ありがとうね゛えええええ」 最愛のれいむとの別れにまりさもついに涙が堪えられなくなったがれいむの決意は固かった。 「みんな!! さあ、おたべなさい!!」 れいむがそう言った瞬間、その体は刃物で両断されたように真っ二つに別れた。 幼い頃に群れの仲間から聞いていたお食べなさい宣言もまりさは初めて見るものだったし、 子供達ももちろんその異様な姿を見るのは初めてだった。 「うわあああああああああ」 「おがあざんがあああああ!!」 「み゛んなおぢづいでね。れいむはみんなのごはんになっでぐれたんだぜ!!」 親の悲惨な姿を見てショックを受ける子供達をまりさは必死でなだめるしかない。 「れいむをたべてあげればれいむはしあわせなんだよ!!」 「ゆっぐりりがいじだよ……!!」 「おがあざんありがどうだぜ!!」 ほどなく涙で濡れる布団の中からは五匹のゆっくりの久しぶりの幸せそうな声が聞こえてきた。 それから季節が二度かわる頃、親まりさと子ゆっくり姉妹のうち大きかった二匹もお食べなさいをして残るゆっくりに命のパスをした。 残された子ゆっくりだったまりさとれいむもこのころには成体サイズになり、 さらにいつのまにかすっきりもすましてれいむは胎内にんっしんっをしていた。 植物型にんっしんっでは布団が邪魔で無事子供が育つか不安だったためだ。 「ゆゆっ、もうすぐうまれそうだよまりさ」 「ゆっくりしたあかちゃんをうむんだぜれいむ」 一週間程前にお食べなさいをした姉れいむにもこの子達を見せる事ができればよかった。 しかし自分が妊娠したせいで姉がご飯になったのは残った二匹のしるところではない。 「ゆぎぃぃぃ!! あがちゃんがうばれるよ゛!!」 「まりさがしっかりうけとめるぜ」 そしてすぐに子供達がまりさとれいむの前に出てきた。 「「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!」」」」 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆゆ〜ん、どのこもゆっくりできてるね」 まりさとれいむの愛の結晶は胎内にんっしんっにしては少し小さめだがまりさ種二匹、れいむ種二匹の合計四匹となった。 しかし親の目から見れば十分ゆっくりできている子供達ではあったが、そこには普通の赤ゆっくりと異なる点があった。 普通のゆっくりなら球を縦につぶしたような体をしているのが一般的である。 しかしこの子達はどこか半球型に近い体をしていた。 ゆっくりの親のフィルターを通して見ればその差異に気が付くことはないだろう。 こうして親ゆっくり二匹とほんの少し変わった赤ゆっくり四匹の生活がはじまった。 生まれた子供達はすぐにでもご飯を必要とするため出産直後に親れいむは真っ二つになった。 母親とゆっくりする間もなく別れを経験した子供達ではあったが、親まりさの愛のもとですくすくと大きくなっていた。 赤ゆっくり達がある程度育って子ゆっくりサイズになったころ、その親まりさも真っ二つになった。 嘆き悲しんだ子供達もまりさを食べ、また少し大きくなる。 残った兄弟のうち大きい二匹もまたご飯となり残りの二匹が食べて成体サイズになった。 そして二匹は子供を四匹産んだ。 今度生まれた子供は親よりも少しだけ底面が拡がった形になっていたが親の目から見ればかわいい子供だった。 子供達の変化は布団に挟まれた環境により跳ねる事よりも這う事が移動の主体になったための進化ともいえる。 こうして親ゆっくり二匹と少し変わった赤ゆっくり四匹の生活がはじまった。 生まれた子供達はすぐにでもご飯を必要とするため出産直後に親れいむは真っ二つになった。 母親とゆっくりする間もなく別れを経験した子供達ではあったが、親まりさの愛のもとですくすくと大きくなっていた。 赤ゆっくり達がある程度育って子ゆっくりサイズになったころ、その親まりさも真っ二つになった。 嘆き悲しんだ子供達もまりさを食べ、また少し大きくなる。 残った兄弟のうち大きい二匹もまたご飯となり残りの二匹が食べて成体サイズになった。 そして二匹は子供を四匹産んだ。 今度生まれた子供は親よりも底面が拡がり、伸びた皮が帽子のつばの形になっていたが親の目から見ればかわいい子供だった。 子供達の変化は布団に挟まれた環境により狭い場所すばやく這うための進化ともいえる。 こうして親ゆっくり二匹と変わった赤ゆっくり四匹の生活がはじまった。 男がひさびさに倉庫に現れたのはゆっくり達を布団ごと閉じこめた三年後の春だった。 別にゆっくり達が気になったわけではなく、いらなくなった家財道具を整理がてら倉庫に押し込みにきたのだ。 頭の片隅からゆっくり達の事を追い出していた男は中が膨らんだ布団を見つけて、あの頃の記憶とともに若干嫌な予感がした。 「うげっ、見たくなかったな」 並の動物ならあのなかでとっくに腐敗して布団の内部は目も当てられない状況になっていることだろうが、きっとゆっくりでも同じ事だろう。 しかし男の考えとは裏腹に布団の内部ではゆっくり達は未だ動いていた。 それに驚いた男はゆっくりを救出すべく家に戻り鋏を探した。 「おいおいまじかよ……」 男は慌てて布団の端を閉じた糸を切っていく。 布団の三辺を切り終えると息を呑む。さすがに中を見るのには勇気が必要だ。 だが男は意を決して掛け布団をめくり上げた。 「えいっ」 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 するとそこから聞こえてきたのはいつも通りのどこか気の抜けるようなゆっくり達の声、 丁度四匹分が男の耳に届いた。 「ああ、ゆっくりしていくよ……ってどうしたんだお前ら」 「ゆゆっ、どうもしてないよ?」 「いやいや……」 あまりに肩すかしな挨拶に何事もないかと思えば、目の前のゆっくり達はどうだ、見事に変形していた。 しかも自分達の様子に気が付いてないらしい。 「おにいさんはにんげんさんだぜ!? にんげんさんはゆっくりさせてくれるんだぜ!!」 「その伝聞はどこか間違っているぞ」 「そんなこといわずれいむたちをゆっくりさせてね!!」 そういって変わった形のゆっくり達が男の足下にサササと這い寄ってきた。 「うわ、きもっ」 男がそう漏らしたのも無理はない。 なにせ普通のゆっくりではあり得ない速度で這ったのだ。 しかも麦わら帽子のような体でそのつばの部分を器用にくねらせながら移動してきた。 「きもいっていったね!!」 「まりさたちはかわいいんだぜ」 「ぷくー、おこるよおにいさん!!」 「ゆっくりあやまってね!!」 「あぁ、ごめんごめん。でもなぁ……」 でも気持ち悪い。その言葉はぐっと堪えた。 それからとりあえず男は家までこのゆっくり達を連れて行った。 普段なら追いかけるのも大変な人間の歩みにも余裕で追従し、それどころか時々男よりも先行してみせたりもした。 男の足下をぐるぐると忙しなく這う帽子ゆっくり達(そう呼ぶ事にしよう)は、どこかかわいげもあるような気がしてきた。 倉庫は男の家の裏手にあるためそれほど距離はない。 すぐに男の家の入り口に到着した。 さっさと家の中に男は入ったが帽子ゆっくり達は入ってこない。 「ほれ、遠慮せずに入ってこいよ」 特に気にせず男は家の中から帽子ゆっくり達を促すが、なぜかゆっくり達が入り口で止まっている。 「おにいさんゆっくりいじわるしないでね!!」 「何言ってるんだよ。何もしてないからさっさと入ればいいだろ」 「ゆゆっ!! おにいさんはばかだね。れいむたちははいれないんだよ」 「はあ?」 ゆっくり達が入れない原因がわからず男はわざわざ入り口まで戻る。 「戸を開けてやってるんだから入ればいいだろ」 「だからはいれないんだよ!!」 「どうして……」 敷居を挟んで男とゆっくりが不毛な口論をしたが男にはやっと理由が分かった。 「まさかお前ら」 満足に跳ねる事ができない環境でこの姿に変形した帽子ゆっくり。 素早く這う事を優先させて薄く拡がった足。 ここまでの移動手段。 そしてわずか三寸程度の敷居。 考えられる事はただ一つ。 「まさかだが跳ねる事ができないのか」 「「「「はねるってなに??」」」」 例えば地面を歩く事しかできない虫、蟻や百足といった生き物は自分の体より高い障害があっても、 その脚についたかぎ爪のような機構でそれらをよじ登る事も可能だろう。 そうでなければ羽を用いて飛ぶか、それこそ飛んだり跳ねたりするしかあるまい。 だが目の前のこいつらは這う事しかできないのだ。 カタツムリやナメクジよりに似た足だが壁を登る事もできないらしい。 「跳ねなくなったらなったで全く手の掛かる奴らだな」 「「「「はねるってなに??」」」」 「もういいから静かにしといてくれ、でないと投げる」 一匹ずつ持ち上げて入れていくが家の中でも段差だらけでこいつらでは移動はままならないだろう。 最後の一匹のれいむを持ち上げるとれいむがゆっくりらしく叫んだ。 「ゆゆ〜、おそらをとんでるみたい」 れいむが気持ち悪く底面をくねらせらがら喋ったせいで男の手にうねうねする嫌な感触が伝わる。 「そぉい!!」 そして男は無意識にれいむを投げ飛ばしていた。 「ゆわああぁぁぁぁああああぁぁぁぁああああぁぁぁぁ……」 「「「どおじでなげだのおおおおお!!」」」 「いや思わず」 それにしてもれいむは綺麗に飛んでいくな。 円盤状のフォルムがきっと滑空するのに適しているのだろう。 横回転に廻っているものだから声が大きくなったり小さくなったりしてなかなか面白い。 これでなんか競技でもできるんじゃなかろうか。 「でいぶがじめんにおじるうううううう!!」 「ああ、それはまずいな。れいむー死にたくなければ足を思いっきり広げろー」 どうやられいむに男の声が聞こえたらしく遠心力で拡がっていた足がさらに拡がる。 おかげで風を上手く掴んで軟着陸に成功したようだ。 着陸した場所で目を回してしばらくフラフラしていたれいむが元に戻ると、また気持ち悪い速度で男の近くに戻ってきた。 「どおじでなげだのおおおおお!!」 「静かにしないと投げるって言ったろ」 「どでもごわがったんだがらね゛っ!!」 「その割りには結構無事じゃないか」 この様子なら高い崖から飛んでも大丈夫そうだ。 れいむが見事滑空した様子をみて男はさらに帽子ゆっくりに興味がわいた。 「お前らちょっと試したい事ができたんだが」 男の黒い笑みに気付くゆっくりはいない。皆そろって頭に疑問符が浮かんでいる。 「協力してくれたらご飯やるよ、どうだ」 「まりさがやるんだぜ!!」 いち早く応えたまりさを男はすぐさま掴み上げ風呂場に走った。 男とまりさを追おうと他のゆっくり達も這って追いかけるが様々な段差で移動できないでいた。 風呂場についた男はまりさをそのまま水に浮かべる。 「みずはやめてええええええ!!」 「落ち着け、今のお前なら絶対浮かべる!! 暴れずに身を任せてみろ」 水際でまりさが大人しくすると男が両手をはなしてみる。 するとどうだ「ゆゆっ!! ぼうしなしでうかんでるんだぜ」 しかもまりさは水面に浮くどころか、足を動かして見事に泳ぎやがった。 「おそらをとんでるみたいだぜ」 「地面から離れたらその感想なのな」 「ここをまりさのゆっくりぷれいすにするぜ」 「それは困るがしばらくならいていいぞ」 水面歩行を楽しむまりさを放っておいて男は残りのの三匹のもとにむかった。 「おにいさんがもどってきたよ」 「まりさにもごはんちょうだいね!!」 「でいぶをいえにい゛れでえええええ」 「ああもう面倒くさい……」 ちょっとした段差でつまずく移動力のなさには驚くしかない。 しかしこれはこれで飼うにはもってこいなのかも知れない。 棚や机の上に乗って物を落とす事もない。 少しの段差で移動を制限させることができる。 「でも気持ち悪いんだよな」 足下でカサカサと動き回るゆっくり達を見下ろしながらこれからのことを考える。 ひとまず繁殖させてゆっくり屋にでも持って行ってみるか。 それにしてもどう飼えばいいものか……。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁ……」 「今度はなんだ」 三匹からの催促もうるさいが、風呂場から悲鳴が聞こえてきたのではそちらにいかねばなるまい。 「おにいざん、ゆっぐりじでないでだずげでね……」 「ああ、こりゃひどい」 風呂場で浮かんで遊んでいたまりさは見事に溺れていた。 こいつらは変な体のおかげで水に浮いて泳ぐ事ができるようになった。 だがもちろん足の裏に耐水性はないのでしばらくすると餡子が漏れだしてきたのだ。 「本当に面倒なやつらだ……」 これからのことを思うと男は頭を抱えるしかなかった。 それから男が偶然に生み出した帽子ゆっくり達は様々なところに知れ渡った。 そのすでに潰れてしまったような異様な姿を好んで飼ってみたり苛めてみたり。 既存のゆっくりと掛け合わせて跳ねない普通の形のゆっくりを作ろうとしたり。 加工場では帽子ゆっくり達をそのまま揚げたお菓子ができたり。 足のようなヒダの部分がさくさくしてこれはこれでおいしい。 そういえば野生に移ったものもいるようだ。 その姿や移動の速さからきめえ丸との相性はいいようだが、やはり普通のゆっくり達からは排除されているようだ。 湖の真ん中の小島に移り住んだという例もあるそうだが天狗の新聞はあてにならないから真相はわからない。 面倒事から解放されてともかく様々な場所で元気にしているようならなによりと思う男であった。 あとがき 帽子パンを食べたら書きたくなった。帽子パンおいしいよ帽子パン(*´∀`) 某はぐれているRPGモンスターを思い浮かべてくれたら幸いです いや、実際某モンスターはかわいいと思うけど、こいつらは勘弁な この場を借りて一言 前作ゆっくりいじめ系1798 ゆっくりでさっぱり投稿時に沢山の感想ありがとうございました 名無し?と聞かれたので一応今までの作品を紹介させていただきます 虐めwiki内で「書きたかった事」と検索すれば全作品でてくるかと思います
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2218.html
ここに文字を入力注意書き: 某4コママンガを参考にしています。詳細は文末に示します。 秋も深まり、山々はすっかり紅葉で覆われ、少し肌寒い風が吹き抜けていく。 そんな日々、市場で買い物を終え自宅へ向かう途中のこと、 獣道を歩く僕の前に一匹のゆっくりれいむが立ちはだかった。 高さ40cm余り、横幅は60cmにもなるかなり成長した個体のようだ。 この獣道、普段は殆ど人が通らない場所で、言ってみれば秘密の近道ってとこかな。 「ゆゆ!おにいさん?こっからさきはれいむのおうちだよ! とおるにはゆっくりつうこうりょうをはらっていってね!!!」 「通行料?具体的には何が欲しいのかな?」 「ゆ、ゆーん… れ、れいむにおいしいおはなさんをおいていってね!!!」 「なんだ…花か。ほれよ。」 「ゆゆゆ?むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 相手するのも面倒だったので、僕は買い物袋の中からハーブをれいむに差し出すと、 足早に先へ進もうとした。なぜか右足が重い。 「そ、そこからさきにはゆっくりすすまないでね!!! こ、これだけじゃつうこうりょうがたりないよ!ゆっくりはらっていってね!!!」 なんと右足にれいむがしがみついて来たのだ。 ゆっくりにしては珍しい行動だったので再び問いかける。 「今度は何が欲しいと言うのかね?」 「ゆ!? ゆーん… ゆっくりあまあまのおさとうをちょうだいね!!!」 「なんだ…砂糖か。ほれよ。」 「ゆぐっ…! むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 「じゃあ僕は先に進むからね。」 僕は買い物袋から角砂糖とカリン糖を十数個差し出し、この場を後にしようとした。 再び右足に荷重がかかる。 「そ、そこからさきにはゆっくりすすまないでね!!! ま、まだつうこうりょうがたりないよ!!!ゆっくりはらっていってね!!!」 いくらゆっくりとは言え欲張りな行動である。 「今度は一体何が欲しいと言うのかな?」 「ゆゆ!? ゆーんゆーん… れいむにゆっくりはちみつさんをちょうだいね!!! もしはちみつさんがないのならゆっくりひきかえしてね!!!」 「蜂蜜か…。ほれよ。」 「ゆゆゆ!?どおじておにいさんはちみつさんなんかもってるの!!!」 「れいむがくれっていったんだろ?」 「ゆぐっ…! むーじゃ、むーじゃ、じあわぜー!」 「今度こそ僕は先に進むからね。」 再び重くなる左足。何か他に理由があると言うのか…? 「ぞ、ぞごがらざぎにはゆっぐじずずまないでね!!! ま゙、まだまだづうごおりょおがたりないよ!!!ゆっぐじはらっでいっでね!!!」 「欲張りなれいむだね。今度は何が欲しいのかい?」 「ゆがっ・・!?ゆう・・・ゆーん・・・ れ、れいむにゆっくりあまあまなくりーむをちょうだいね!!! もしもっていないのならゆっくりひきかえしてね!!!」 「クリームか…。ほれよ。」 僕は買い物袋の中からコンデンスミルクを取り出すと、れいむの口に注ぎ込んでやった。 甘ければいい。細かいことはわからないだろう。 「ゆがっ!?どぼじでおに゙いざんぐぢーむなんがも゙っでるの!!!」 「れいむがちょうだいっていったんだろ?」 「ゆががっ…! むーじゃ、むーじゃ、じあ゙わ゙ぜーー!!!」 とは言いつつも両目からぼろぼろと大粒の涙をこぼしている。 気にせず先に進もうとすると 「だ、だべなんだがらね!!!ごのざぎにはゆっぐじずずまないでね!!! ゆっぐじひぎがえじでいっでね!!!」 またしても右足にしがみつくれいむ。食べ物が目的じゃないとすると、 この先には相当大事なものでもあるというのか? 「こっち行かないとお兄さんは帰れないんだけどなぁ?」 「ざ、ざぎにずずむならゆっぐじでいぶにづうごおりょおをはらっでいっでね!!!」 「でいぶのお遊びに付き合ってる暇なんか無いんだけどなぁ…。ゆっくりどいていってね!!!」 「ゆがっ!? でいぶにゆっぐじおでんじじゅーずをぢょおだいね!!! ないならゆっぐじひぎがえじでいっでね!!!」 「お兄さんのおうちにはオレンジジュースがたくさんあるよ? 通してくれたらでいぶに分けてあげてもいいけど?」 「や、やっぱりだべだよ!!!ゆっぐじひぎがえじでね!!!ゆっぐじひぎがえじでね!!! ごごがらはでいぶのおうぢだよ!!!ゆっぐじごっぢごな゙いでね!!!」 もう「でいぶ」に構うのも飽きたので、無視して歩みを進める。 すると前方の草むらの中、木の根元の穴から伸びるオレンジ色の塊が姿を現した。 ゆっくりの卵である。 握り拳よりやや小さいゼリー状の塊が蛇のように連なり、見えているだけでも数百は下らない。 恐らくは巣の中で卵を産みつけていたが収まりきらず、外まではみ出したってところだ。 一つ一つの形状は縦に長く昆虫の卵のようでもあり、長く長く連なる様子は蛙のそれを彷彿とさせる。 よく見ると内部に非常に小さいながらもゆっくりらしき姿が見て取れた。 「ははぁー…こういう訳だったのかぁ。」 「やべでね!ゆっぐじやべでね!!!でいぶのかわいいごどもにでをだざないでね!!!」 「ふーん…」 それだけ言うと僕は、卵の群れの一角に塩を振りかけ始めた。 浸透圧により見る見るうちに卵がしぼんでゆく。 「やべでえええええ!!!でいぶのおぢびぢゃんになにずるのおおおおおお!!! ゆっぐじやべでいっでね!!!ゆっぐじやべでえええええええ!!!」 れいむは卵の前に立ちはだかり、塩をこれ以上子供たちに浴びせまいと大きく口を広げた。 「ゆっぎゃあああ!!!でいぶのおめめがっ!いだいよ゙おおおおおおおおお!!! でいぶのおぐぢがぁああああああああ!!!ゆっぐじやべでえええええ!!!」 目や口などの粘膜に塩がかかるたび、れいむは悲痛な叫びを上げた。 体が大きめなだけあってその叫びも一段と大きい。余計に敵を呼び寄せてもおかしくはない。 「ほーら、今度はこっちだ。おいしいお塩をあげるからねー♪」 オレンジ色のゼリーは塩と触れると直ちに縮み始め、こげ茶色の塊へと変貌していく。 「やべで、やべでよおおおおおお!!! でいぶのおぢびちゃんはおじおなんでいだないぼおおおおおお!!!」 れいむは満身創痍ながら卵の前で塩を受けとめようと必死にかけずり回る。 「でいぶのおぐぢが、おぐぢがゆっぐじでぎないよ゙おおぉぉおおおおおお!!! おにいざんはゆっぐじやべでね、ゆっぐじやべでいっでね!!!」 両目から滝のように涙を流しているが、それでも諦めようとはしなかった。 ふと視界に蜂蜜色の物体が飛び込んだ。 近寄ってみると息を荒げるゆっくりありすであった。面白いことを思いついたぞ…! 「ゆふー、ゆふー、れいむのこえがきこえるわ!!!どこなのお? ありずがずっぎりざぜであげるよおおおおおおおお!!!」 「やぁやぁとかいはのありすちゃん。」 「ゆゆ?とかいはのありすはいまいそがしーのよぉ?おにいさんはてみじかによーをすませなさいよ?」 「そのれいむのとこにつれてってあげようとおもってさ。」 「ゆほっ!?べ、べつにありすはれいむのことなんてどおでもいいのよ? でもおにいさんがつれてってくれるっていうならのってあげてもいいわよ?」 ありすは顔を赤らめ涎を垂らしながら答える。その顔、本心がわかりやすく見て取れる。 僕ももちろんそのつもりだ。 ありすを抱きかかえ足早にれいむの元へと向かう。 「ゆっほおおおおおお!?れいむのかわいいたまごがたくさんあるわ!!! みてるだけですっきりしちゃうわあああああ!!!すっきりー♪」 ありすから放たれた乳白色の粘液に卵の一角が覆われていく。 「やべでええええ!!!すきなひとじゃないとあかちゃんのもとかけちゃだべえええええ!!!」 「ありすのためにこんなにたくさんよういしてくれたのね!!! れいむってつんでれねえええええ!!!」 「だべえええええ!!!れいむのだいすきなまりさじゃないとだべええええ!!! ゆっぐじやべでいっでね!ゆっぐじやべでええええええ!!!」 「そのまりさってのは、こいつの事かな?」 「ゆがっ!?ま゙、ま゙、ま゙り゙ざぁあああああぁああああ!!!」 数十分前のことだ。市場を後にし藪森へ歩みを進めようとした頃―― 「こっからはまりさのてりとりーなんだぜ!!!おにいさんはゆっくりあっちへいけだぜ!!!」 「ここをとおらないとお兄さんおうちに帰れないんだけどなあ?」 目の前にこれまた60cmもあろうかという大きなゆっくりまりさが立ちはだかった。 無視して先へ進もうとすると… どかっ! 尻に鈍い痛みが走る。まりさの体当たりだ。 重さも相当なため思わずよろけてしまう。 「まりさのたいあたりなのぜ!これにこりたらゆっくりむこうへいけなのぜ!!!」 まりさは僕の前に回り込んで自慢げに語りだす。 「ほぉおお? 向こうへ行かなかったらどうするのかなぁ?」 「ゆがっ!?と、とにかくこっからはすすませないだぜええええええ!」 まりさが再び体当たりを仕掛けてくる。 一歩横によけてみる。ゆっくりにしては速いがかすりもしない。 案の定まりさの勢いは止まらず向こう側の木に突進し、盛大に全身を打ち付ける。 「ゆがっ…!ゆ・・・ゆぐぅ・・・」 「おーい?いきてるかー?」 まりさは白目を向き天を仰いでいる。もっとも枝葉に覆われ空を拝むことはできないのだが。 「あーあ、見事に伸びちまったなぁ。しゃーない、持って帰ってやるとするか。」 僕は背負っていた篭にまりさを放り込み、その場を後にした。 「ゆ…ゆーん・・・ ゆゆっ!?ここはどこなのぜ?」 「ま、まりさ!?きがついたのね!!! みてみて!!!れいむね、いっぱいおちびちゃんうんだんだよおおおお!!!」 「れ、れいむううううう!!!よくがんばっただぜえええ!!!」 「でもこのありすとそのおにいさんがゆっくりできないんだよ!!!」 「ゆゆゆ!?ゆっくりできないおにいさんとありすはゆるさないのぜええええ!!!」 まりさは近くにいたありすに体当たりを仕掛ける。 発情ありすとはいえ体格差は歴然であり、放物線を描き地面に叩きつけられる。 「ああああっ!? まりさってとんだえすえむぷれいなんだからぁああああ!?」 程なくして気を失った。 「さっきはよくも、よくもおおおおおお!!! でいぶまでいじべで、ま゙り゙ざぼおゆるざな゙いのぜええええ!ゆっぐじじねええええぇぇええええ!!!」 再びまりさが僕に突進を仕掛ける。僕は手近にあった太い枝を拾い上げると、 一歩左に下がり野球の打者の要領で勢いよく振りぬいた。 「ゆべっ!? ゆびぶべぼばびぶべぼゆびゃぁああぁああああああああああぁぁぁぁ!!?」 真っ二つに裂かれたまりさは壮大な断末魔を上げると、物言わぬ餡子の塊と化した。 「ど、ど…、どぼじでごんな゙ごどずる゙の゙おおぉぉおおおおお!!?」 「いや…、どぼじでって言われてもなぁ…。れいむ達から仕掛けてきたんだろ?僕はそれに応じただけさ。」 「でいぶのおぢびぢゃんがえじでええええええ!!!ばでぃざをがえじでよおおおおおおぉおおおお!!!」 「卵ならまだ全滅しちゃいないだろーよ。」 「すきなひどにあがぢゃんのもどかげでもらわないとうま゙でないよ゙おおおぉおおぉおお!!! ゆっぐじがえじで、ばでぃざをがえじで、でいぶのあがぢゃん、がえじでよぉおおおおぉおおおおお!!!」 「んなこと言われてもなぁ…。」 「ど、どぼじで…、どぼじでな゙の゙ぉぉおおおおぉおおお!!! ばでぃざ・・・、あがぢゃん・・・、がえじで、がえじで… がえじでぇぇええええぇぇ・・・」 その大きな饅頭は、大粒の涙をぼろぼろとこぼし、悲痛と怒りの余り泣き叫んでいた。 溢れる涙は「彼女」の足元に水溜りを作り始めていた。 僕はただ家に帰りたかったがためにやっただけ。 道を邪魔をした挙句そんな剣幕で問い詰められても困るのだ。 絶望に打ちひしがれる「でいぶ」を目の前にして、僕はどうしていいかわからなかった。 「んほっ!?なみだによだれにぐっちょぐちょのれいむもかあいいのよぉおおおおお!!!」 「ゆがっ!?ゆっぐじごっぢにこないでね!ゆっぐじやべでね!!!」 途方に暮れているうちにありすが気を取り戻した。すぐさまれいむに一直線。何という見上げた根性・・・。 塩攻めにされ、愛するまりさを失ったショックを受け、泣き疲れたれいむにもはや策は残されていなかった。 ありすの為すがままになるしかない。 「んっほおおぉおおおぉおおお!ぐっちょぐちょのれいむぎもぢいよおおおおおお!!! あらてのろおしょんなのねえええええええ!!!すっきりー♪」 「やべでぇええええぇええ!ずっぎじー!」 「めをそむけなくていいのよおおおおおおお!!!れいむったらつんでれね!!! すっきりー♪」 「ゆっぐじやべで、ゆっぐじやべでね!!!ずっぎじー!」 「れいむのろおしょん、れいむのろおしょんあまじょっぱくておいしいいいいいいいいいい!!! もっとちょおだい、もっとちょおだいねええええええええええ!!!」 「でいぶおいじぐないぼおおおおおお!!!」 「ひていしなくていいのよ?れいむったらつんでれなんだからああああ!!!すっきりー♪」 「やだぼおおお、やだぼおおおおおおおお!!!すっぎじー!」 「もっと、もっとありすにあいをちょおだいねええええええ!!!」 「ゆっぐじやべでね!ゆっぐじ・・・ゆ・・・ゆっぐ・・・」 この状況を打破してくれたありすには感謝しなければならないのかも知れない。 そんな僕の内を余所に、ありすの勢いは止まることを知らなかった。 「れいむ?ねちゃったのぉおお?とかいはのありすのてくがきもちよすぎたのねええええ! うぶなれいむもかぁいいよぉおおおおおおお!!!」 れいむは気絶か、腹上死でもしたのか、とにかく動かなくなった。 いずれにせよその額からは緑色の突起が数多く現れ始めており、運命は決まったも同然である。 「あら…?たまごがたくさんあるじゃなあああい! ありすのためによおいしておいてくれたのねええええ!!!すっきりー♪ みてるだけですっきりしちゃったわ!!!すっきりー♪ れいむっておませさんなんだからああああああああ!!!すっきりー♪ ゆっほおおおおぉおおおおおおおお……」 この後どうなるかは想像に容易い。 夥しい数の卵を貪るうちにありすは干からび、万が一孵化できたとしても誰が育てると言うのだろうか。 冬が近いこの季節、子供たちだけで生き抜くには絶望的である。 オレンジ色の卵達が徐々に乳白色に染まっていくのを見届けていた僕は、 追われる様にして我が家への道を急いだ---- 終われ その後...塩がかからずにありすの精子餡を受けたたまごたちは、「ゆっくりしていってね!」という声で生まれてきたが、そこには朽ち果てたありすとれいむがいたこの子達がこの後どうなるかは一目瞭然だろう。加工所にみつかり研究され尽くされるか、餓死するか、死ぬのも生ぬるい地獄を虐待鬼威山に見せられるかだろう愛でおにいさんに見つかろうとも、 親のいないゆん生を歩むには難しいだろう ほんとに終わり Ref. 1) 東方アクロバティカより ttp //flat-racing.sakura.ne.jp/oretoumi/hp/touhou44.jpg あとがき 昆虫型と名付けたのは、蛙のように外側が粘膜で覆われていないためです。 交尾してなくても卵生むの? 充分に成長し時期が来たら大量の卵を産みます。 それでいて本体は交尾するとにんっしんしてしまうという破天荒な設定です。 by まりさつむりの人 他に書いたもの ゆっくりいじめ系800-802 まりさつむりの記憶 ゆっくりいじめ系854 ゆっくりバイブレーション1 アリス×ゆっくり系16 アリスのゆっくり水爆弾 白玉楼×ゆっくり系5 みょんとの出会い ゆっくりいじめ系932 愛しのありす ゆっくりいじめ系1024 嘘つき少女の悲劇 このSSに感想を付ける
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「…せッ!…せッ!…せッ!」 暗闇の中円周上に配置された篝火の光の中心には四方を杭に結わえ付けられたロープで囲まれた空間だけが浮かぶ 周囲をぼうっと篝火に照らされる空間を熱狂しながら凝視する人間の顔だけが浮き上がらっせ、その光景は太古の神を祀る儀式を思わせる 「殺せッ!殺せッ!殺せッ!」 老いも若きも男も女もが狂ったように同じ言葉を繰り返す 人々の視線の先には互いの肉を食み、血を啜り合いながら殺しあう2匹の獣 …ならぬゆっくりの姿があった 里の野外に特設された即席のリングの中には1匹のゆっくりまりさとゆっくりフランが向かい合っている ゆっくりまりさは目と口の部分に穴が開いた底部以外顔全体を覆う派手なマスクを被っており、 そのマスクのそこらかしこはフランに切り裂かれたのか無残にも体までにもその裂傷は達して致命傷ではない物の餡がポタリポタリと垂れて 大きくその体を伸縮させて息をついている 方やゆっくりフランは素顔で、顔に自分の傷から漏れた餡とまりさの餡で汚れながらも、 その目には狂気の色が宿り口を大きく開いてこびりつく餡をなめると笑みを浮かべた ルチャゆっくり 最近考案されたゆっくりを使った娯楽のひとつ、早い話がゆっくりを使った賭け格闘技である。 リングで戦うゆっくりはゆっくりドールと呼ばれ相手が戦意を失うか・気絶するまで行われる… しかしゆっくりは本来温厚で臆病な性格なので捕食種を除け自発的に戦うことはない だが、彼らやその親しい者の危機には勇敢に立ち向かうケースもある その事から人間が野生の比較的体格がいいゆっくりを見つけると家族や親友を攫いそれを人質として戦いに赴かせるのである 場合によっては無理やり子供を孕ませてそれを利用する 負けたり・無様な試合をすれば人質の命は主人の気分ひとつ次第 故に戦うゆっくり達に躊躇いはない ……常にガチ勝負且つゆっくり特有の肉体の脆弱さもあいまって死者は耐える事はない 死の恐怖に抗い勝ち続けるゆっくりにはマスクが与えられ、そして更に勝ちぬいたマスクゆっくりは自由を勝ち取る事ができる マスクは数多の同族の屍を踏み越えた強者の証、それを脱ぐ時は敗北を意味する マスクを剥がれたゆっくりはそのマスクを捨て新たにマスクを得るまで再び戦いを続けなくてはならない ゆっくりドールにとってマスクは頭の飾りや帽子以上の価値、命そのもの ゆっくり達にとっては語源のルチャリブレよろしく自由を勝ち取るための戦いであるのだ このまりさはルチャゆっくりでは現在一番人気の花形ゆっくりドール。 デビュー以来負け知らずで特に華麗な空中技に定評がある ルチャゆっくりの中では殿堂入り確実の生ける伝説ゆっくりドールである かたやフランのほうは中堅クラスであるものの高い戦闘力と凶暴性で最近のし上がって来た実力派、決して楽勝な相手とは言い難い 今現在餡子が漏れているマスクまりさは体力的にも長期戦は不利、しかしフランは警戒を奇襲し徐々にコーナーへ追い詰めて行く いくら手負いとてマスク持ちは百戦錬磨の猛者、迂闊な攻撃は仕掛けない辺りフランも並みのゆっくりドールではない マスクまりさがコーナーポストに背をつきの呼吸が乱れかと思うとと体を僅かに傾けるのを見るや雷のごとく飛び掛った 「ますくとられてゆっくりしね――ッ!」 だがマスクまりさは睨み付けたまま動かない。 コーナーに居る以上フランの突進を下手に回避しようとしても逃げれず、リング外に逃げようとしてもその隙に無防備な部分を晒すだけという事を知っている。 そしてコンマ一秒の世界のタイミングで避ける事を決意した マスクまりさは息一つすると極限まで集中する。 一つ息を吐くと空気を震わす観客の歓声がフッと消え、今まで気にならなかった生暖かい風の張り付く感触を感じ、 目の前に向けられたフランの鋭い牙がスローモーションビデオを見てるかのごとくゆっくりと近づく 5センチ... 3センチ... 2センチ... 1センチ... フランは勝利を確信していた 牙は確実に柔らかい皮膚を突き破り餡を抉った後奴は豚のような悲鳴を上げるだろうと カチン!! だがフラン確信とは裏腹に牙のぶつかる音だけが響いた 「うっ!?うーっ!?」 いつの間にか眼前のまりさは霞のごとく消えていた まりさの見せた隙はフェイクだったのだ 後悔したところでもう遅い 次の瞬間頭部に強烈な衝撃が走り地面に叩きつけられると目の前が餡で真っ黒に染まり何がおきたか理解できぬまま事切れた フランだったものから飛び出した餡子の山からムクりとマスクまりさが立ち上がる お互いの鎬を極限まで削る我慢比べにまりさは勝ったのだ ――すたーだすとればりぇ マスクまりさの得意技の一つ 敵の攻撃を極限までひきつけてコンマ一秒のタイミングで敵の頭上に飛び上がりそのまま全体重をかけて敵を地面に叩きつける その一連の動作は流星の如く華麗でそれ見た誰もが魅了される程の高難度の空中技 「ウィナーッ!エルゥ――ッマリィーサァ――!!」 審判が勝者の名前を告げると観客席からは悲鳴のような歓声と怒声が起き周囲に紙吹雪が舞った 「まりさー!よくやったぞ!」 一人の若い男がロープを潜りリングにうつ伏せに寝転がっているまりさの元へ駆け寄る 「おにー…さん…まりさ…がんば…たよ」 ずり落ちた帽子を力なく少しだけ挙げて顔半分をセコンドの男のほうに向けるとにこりと微笑んだ 「ああ…頑張ったとも!後10勝だ!!後10勝てばお前は自由になれるんだぞ」 「うん…でも…まり…さだめ…かも…」 「何言ってんだ怪我はたいした事ないぞ!休めばすぐ治るからな!」 男がまりさを優しく抱きかかえて顔を見るとハッとしたと表情を見せると途端に真っ青になった 何とまりさの左目を両瞼が縦にぱっくり切れ眼球から透明な液が漏れている すたーだすとればりぇを決める為に跳躍した際、満身創痍のまりさはタイミングが少し遅れたため運悪くフランの牙が目を掠ってしまったのだ 「もう…まりさは…あかちゃんのために…たたかえないの…?」 後10回とはいえ戦う相手はどれも強敵ぞろい、片目で戦うには余りにも手に負えなさ過ぎる さりとて傷が癒えても片目に慣れるまでまでじっくり休養する時間などまりさには与えられない 「あ…今すぐ治療するからな!だからじっとしてろ!!」 男はまりさをマスクを丁寧に脱がし、しっかりとまりさを抱えると揺れぬ様急ぎ足で幕舎の中へ入るとベッドにおろして くすり箱をひっくり返すと治療を施したが潰れた目はどうにもならなかった 「畜生…なんてことだ…」 男がまりさを見下ろして項垂れていると幕舎の中に恰幅のいい中年の男が不機嫌な顔をしながら入ってきた 「全く何てことだ!あれだけ投資してやったのにこれからって時にしくじるとはなぁ!!」 どうやらまりさの主人はこの人物らしい 「お…御館様、こいつは片目をやられだけです再起不能になった訳じゃないんです!あと十勝なんです!!どうか見捨てないでやってください!!!」 「饅頭ごときに情が移ったのか?動ける動けねぇじゃねぇよ!確実に勝てるようなじゃなきゃ駄目に決まってんだろうが! 怪我をしてもう使い物にならんなんて知れたら商品価値は無いも同然なんだよ!」 中年男は腕を組むと幕の中を言ったりきたりしながらブツブツと何かをつぶやている 「そうだ…コイツとかなことの試合を組もう。目は形だけ直しとけ、眼帯とか包帯はつけるな。 伝説の終焉って売り込みでコイツには華々しく最後の花道を飾らせてやろう!次の試合だ!わかったな!」 そう捲くし立てると中年男は近くにあった水瓶をけり倒してがっくりと崩れ落ちる若い男を尻目に出て行った ふかんぜんねんしょー 複数の重賞を勝利した競走馬達もその最後は決して安らかじゃないんだってね byおれまりさとかイワレタ人 このSSに感想を付ける
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どすまりさの話 ちょっと微妙ですが、一応一方的な暴力はあります カーンカーンカーン 「…ああ、もうこんな時間か」 昼の鐘の音が辺りに響いてきたので俺は農作業をやめて腰を上げた。少し痛い。 だがこの時間になるといつもの恒例とも言うべき日課があるのだ。サボるわけにもいかんだろう 「時間だから行ってくるわ」 「おー、いってら」 近くの友人に出ることを伝えると俺は近くの川に行って泥を落とし、いろいろな荷物とごみ袋を持って森に入った。 目的地はどすまりさの集落である。 「おーい、いつものように来たぞ」 「ゆゆっ、おにいさんだ」 『ゆっくりしていってね!!』 群れのいるところに向かうと早速歓迎された。つっても歓迎される理由は単純だが 「おら、餌だ」 『ゆゆ~』 ごみ袋を逆さにして生ゴミを出すとあっという間に群がるゆっくりども。実に浅ましい たぶんこいつらの頭の中だと俺は食べ物を持ってくるへんなやつだろう。実際は全然違うが 「あ、お兄さんいらっしゃい」 少し遅れてどすまりさがやってくる。こいつはゆっくりの中でもかなりまともだ 知的生物として対等に扱うことができる。他はただ本能のままに生きるねずみと大差ないと思う 「ああ、来たぞ。それじゃあ早速教えてもらおうか」 「ゆぅ、最近来たのは…」 俺がどすまりさの所に生ゴミを持ってくるのは伊達や酔狂なんかではもちろんない。 村に害をなすと思われるゆっくりをこのどすから聞いて駆除するためである 群れが近くに引っ越してきたのは去年ぐらいのことだ。 こいつらが近くの森に来たとき、人里ではどうするか話し合った。 ゆっくりの群れというのはかなり増長しやすい。そのため群れたまま里を襲うことがある そうなると畑への被害はとんでもないことになるのだ。 最初は皆殺しにすべきという意見が圧倒的でそのまま実行されようとしたが、 森に来たときどすまりさがある提案をしてきた。 それは人里の頼みを聞くから自分達の群れだけは殺さないでほしいということである。 ゆっくりに頼むようなことはあるとも思えないが、 その自分の立場をわきまえた態度に里の人も関心したのでひとまず生かしたわけである。 そしてその後集まって話し合いが行われたとき、俺がふと思いついた意見が採用された。 それはこのどすまりさにほかの野生のゆっくりの情報を提供してもらうということ。 ゆっくりのことはゆっくりに聞くのが一番手っ取り早い。 できるかぎりあのどすが周囲のゆっくりを管理してくれればそれだけ畑への被害が減る。 後は群れとは関係ないゆっくりを情報を元に効率よく駆除すれば被害はほぼ皆無になる。 それらをこの群れのどすまりさに伝えたところ、このどすはあっさりと受け入れた。 こうして人里とゆっくりの群れの妙な共存が始まったのだった。 共存とはいうが殺さない代わりに他のゆっくりを探し出して差し出すから、実質群れが人里に従属しているというほうが正しい。 ゆっくり相手担当は発案者の俺。ついでに近くのゆっくりを駆除する役目もある。 きちんと働いた分村から給料が出るので心置きなく引き受けさせてもらった。 ちなみにうちの生ゴミを配るのはちょっとしたサービス。 これを配らないと他のゆっくりがさっさと出て行けコールを行うのだ。 群れのゆっくりを傷つけない約束があるので攻撃するわけにもいかないが、かなりうざい。 そのため生ゴミでひとまずどすまりさとの会話を邪魔させないようにするわけだ。 もともと捨てる物だったから有効活用といったところか。できることなら持ってきたくないのだが 「ほうほう、了解。早速駆除するからな」 ちなみに駆除した後畑に被害が出た場合。責任をとってこいつらから仲間を出してもらい、加工所に売り払う。 そのためその情報はかなり正確である。 「それとおにいさんにお願いがあるんだよ」 「あん?なんだ?」 「またうちの若いゆっくりに人間の強さを教えてほしいんだよ」 その言葉に思わずため息がでる。 「…またか」 「ごめんなさい」 「いや、お前が謝ることじゃねぇけどな。なんでゆっくりは自分が一番と思うんだろうな」 「ゆぅ…」 まりさにも分からないといった感じでどすまりさがため息をついた。 しばらくたって平原。ここに群れの全てのゆっくりが集まっていた。 「げっへっへ、きょうはまりさたちがにんげんをたおすきねんすべきひなんだぜ」 「れいむたちはまりさたちのかっこいいすがたをみてるんだぜ!!」 「にんげんなんてひとひねりだぜ!!」 誇大妄想を吐いて他の若いゆっくりから声援をもらうゆっくりまりさ三匹組。 はっきりいって若いゆっくりの中でなら強いほうかもなってだけの普通のまりさだった。 どう考えても人間は倒せそうに無い。 「あいつらをぶっ飛ばせばいいわけだな」 「ゆゆ、後遺症が残らなければ好きなだけなぐっていいよ」 「ほいほい」 どすまりさからぼこぼこにする許可をもらい軽く準備運動する俺。 よくあることだが若いゆっくりは人間なんてたいしたこと無いと思うことが多い。それはこの群れも例外ではなかった。 何度もどすまりさが注意しても聞かず、中には畑を襲おうとするやつも出る始末である。 そのため二回ほど人里と群れの仲が悪くなったが、そのたびにどすまりさが土下座して賠償する事で揉め事を収めていた。 だがそんなことではすぐに限界がくる。群れとしては喧嘩を売りたくは無いのだ。 そのため俺がじきじきに群れのゆっくりの前で若いゆっくりをぼこぼこにして人間の強さを教えるのである。 口で言っても聞かないなら直接経験させるのが一番手っ取り早いというわけだ。 ちなみに授業は決闘形式。普通に戦って勝ったほうに賞品が渡されるというもの。 対等に戦って一方的に負けるのだということを他の若いゆっくりに見せつけなくてはいけないからだ。 たまにどすまりさは苦労症だと思う。 「それじゃあルールを説明するよ!戦うのはこの平原! 時間無制限一本勝負で、武器を使うこと以外はなんでもあり! 相手チームを全部戦闘不能にしたほうが勝ち! 勝ったチームには賞品としておいしい果物が送られるよ!」 『ゆうううううぅぅっっ!!!』 ゆっくりにとって果物はとてつもなく高級品である。何せ簡単にとることが出来るのは背の高いどすまりさだけ。 他のゆっくりは樹に登る技術が必要だし、下手に高いところに登ると落ちて死ぬ可能性もあるのだ。 そしてその希少性と何よりゆっくりできる味のため、すべてのゆっくりがあこがれる食べ物というわけだ。 まあ必ず俺が授業料として持って行くのだが。 「くだものとはふとっぱらだぜ!」 「にんげんひとりあいてならいただいたもどうぜんだぜ!」 「おいじじい!ころされたくないならあやまればいまならゆるすんだぜ!!」 あほ三匹が何かほざいとるが華麗にスルー。もう慣れた。 「それじゃはじめるよ!スタート!」 それと同時にすぐにばらける三匹。戦い方としては悪くない動きだった。 あっという間に半包囲状態になる。 「あれはまりさたちのれみりゃもたおしたひっしょうじんけいだよ!!」 「いっきにかちにいくつもりね!」 若いゆっくりが騒ぎ出す。どうやらこいつらの必殺技のようだ。 普通自分達の数が多い場合、戦術として包囲するのって当たり前なんだが…まあその辺は饅頭だしな。 「ゆっへっへっへ、もうじじいはしんだもどうぜんだぜ!」 「くだものがかかってるからてかげんはしないんだぜ!!」 「いくぜ!まりさたちのひっさつ…」 『じぇっとすとりーむすぱーく!!』 三匹の掛け声とともに同時に飛びかかってくる。 うん、それだけなんだすまない。 …必殺技ちがくね? いや、ゆっくり相手なら必殺なのか。でも三対一になったら普通勝つだろうし…これは何のための技だろう。 少し悩んだがとりあえず俺は少し下がった。 『ぶべし!!』 見事に俺がいた場所で正面衝突する三匹。同時に突っ込んだらまあそうなるわな 「そんな…」 「まりさのじぇっとすとりーむすぱーくをあっさりよけたわ!!」 「わ、わからないよー!!」 騒ぎ出す若いゆっくり達。 この程度でさわぐなよほんとに 「ぐぎぎぎ…」 「このわざをよけるとは…」 「なかなかやるみたいだぜ…」 気づくのおせぇ 俺は立ち上がろうとしているまりさの一匹をつかむと上へと放り投げた。 「ゆぅ!?」 着地の衝撃を和らげるためにとっさに膨らむまりさ。まぁその判断は悪くないな。 そして落ちてきたところを… 「そぉい!!」 「ゆげらぁぁっっ!!」 思いっきり殴りつける。 まりさは吹っ飛ばされ、綺麗に回転しながらどすまりさにキャッチされた。 膨らんでいたので死にはしないが気絶は確実だろう。とりあえず一匹。 「まりさがやられたんだぜ!?」 「こうなったらおくのてなんだぜ!!」 まだあるんだ。 二匹のまりさは(ゆっくり基準で)すばやく集まると同時にジャンプをする。 よく見ると微妙に片方が高めにジャンプしているようだ。 「ひっさつ!!」 「すたーだすとめてお!!」 そしてなんと高く飛び上がったまりさが低く飛び上がったまりさを足場にさらに高く飛んだのである。 『おおおおおおっっ!!!!』 「へぇ…」 曲芸のような技に驚く周りのゆっくり達。さすがに俺も驚いた。 確かまりさ種は自分を優先させることが多いはず。そのまりさ種が連携技をするのだ。 さっきも連携といえばそうかもしれないがこれと比べたら月とすっぽんだろう。 「げっへっへ、このわざをくらっていきのこったやつはいないんだぜ!!」 「さっさとしぬんだぜ!!」 二匹が笑う。が、 「てい」 べしっ 「ひでぶっ!」 高く飛び上がったまりさをはたき落とす。まりさは地面に叩きつけられ気絶した。 こいつらは二匹で協力することで確かに普通のゆっくりより高く飛んだ…のだが それでも俺の身長くらいがせいぜいであった。いや、ちょっと低かったか? ゆっくりあいてだったら強かったんだけどなー 「ゆげげげえええぇぇっっ!!!???なんできかないんだぜ!?」 「お前らが知恵を絞ったって人間には勝てないってことだな」 そう答えながら残り一匹のまりさにゆっくり近づく。 「ゆ、ゆゆっ!!お、おにいさんごめんなさいなんだぜ!!だからいたいのはやめてほしいんだぜ!!」 いきなり土下座(らしき行動)をするまりさ。さっきまでの自信満々な態度とは天と地の差だ。 その行動に周りのゆっくりもあきれている。 「ふーむ。勝てないと理解したなら別に殴る必要もないんだが…」 「ゆゆ、ゆるしてくれるんだぜ?」 「その前に聞いておくが、お前勝負を決めるためのルール覚えてるか?」 「ゆゆ!それぐらいおぼえてるぜ!あいてをたおしたほうのかちなんだぜ!」 「うんうん、それ以外で決着をつける方法はあったかな」 「ゆっゆっゆ、そんなこともおぼえてないの?あいてをたおさないかぎりおわらない…」 ようやくきづいたのかがたがた震えだすまりさ。お兄さんはその餡子脳で気づいてくれてうれしいよ。 「そう、謝ったって勝負はどっちかが倒されるまでおわらないんだぜ?」 そう教えてやると俺はまりさを思いっきり蹴り飛ばした。 「このように人間に立ち向かってもゆっくりできなくなるだけだから、人間の畑に入ってはだめだよ。わかったかな?」 『ゆっくりりかいしたよ!!』 どすまりさの言葉に返事をする若いゆっくり達 理解していたやつは改めて心に刻み、理解してなかったやつは恐ろしいことを考えていたと思うだろう。 よきかなよきかな。 ついでに三匹のゆっくりは試合が終わった後、パフォーマンスとして足の部分をさらに何発か殴っておいた。 腫れ上がってたからしばらくは痛くてはねることもできないだろう。人間にたてつこうなどとは二度と思うまい。 この後俺はどすまりさからもらった果物をかじりながら、近くのゆっくりを駆除していった。 今日も幻想郷は平和のようだ。 ~~~~~~~~~ SSの整理してたら発掘したのでちょっと書き直してうp どうも続きものだったようでこの続きが中途半端に書いてあるけどどうしたものかね 過去作品? 巨大(ry 餌やり ゆっくり対策 巨大まりさ襲来 ゆっくり埋め どすまりさの失敗 原点 ゆっくり駆除ありす まきぞえ なぐる ゆっくりのある田舎 現実的なドスまりさ ゆっくりゃの飼育 崩落 狩人 このSSに感想をつける
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ゆっくり茸狩り 初SSの為読みにくいかもしれませんが、生暖かい目で見てやってください。 幻想卿にも秋がきた。この季節になると、全ての生き物は冬に向けての準備をする。 ゆっくり達も例外では無く、冬に備えて準備をする。 巣に越冬用の餌を溜め込むのはもちろんの事、ゆっくり自身も栄養分を溜め込む。 つまりこの時期のゆっくりは年間を通して一番栄養価が高く、その為に捕食される事も少なくない。 この栄養価の高い時期限定の秋の味覚がある。それを巷ではゆっくり茸と言う。 これは秋にゆっくりに生えてくる茸というモノではない。 ぶっちゃけてしまえばゆっくりアリスのぺにぺにである。 秋のゆっくりアリスも他のゆっくり同様に冬支度を行う。 しかし他のゆっくりと違う点は、すっきり貯めを行う点である。 冬になってしまえば春までは巣の中で篭っていなければならなくなり、その間は満足にすっきり出来ない為に 秋に思う存分すっきりしまくろうとする。その為秋のゆっくりアリスのぺにぺには、非常にしっかりしている。 ゆっくり茸は、心地よい歯ざわりと、上品な甘さで非常に美味なのだ。 ゆっくり茸を採集する為の道具だが、まず用意するものとしては、ボイスレコーダーと適当な袋があれば取りあえずは十分である。 がっつり採集したいのであれば、ゆっくりまりさを3~5匹程度持って行くと良い。 次に採集方法なのだが、まずはゆっくりアリスが多い山に行く。 その後ゆっくりの巣穴を発見したら、ボイスレコーダーを使用する。 このボイスレコーダーには、ゆっくりまりさのすっきり真っ最中の喘ぎ声を入れておく。 大音量で再生していれば、いつのまにか発情したゆっくりアリスが集まってくる。 既に臨戦態勢のゆっくりアリスばかりなので、少量だけ採集するのであれば適当に捕まえて採集すれば良いが、 ここでは大量に採集するやり方を行ってみる。まずはゆっくりアリス達に 「今日は素晴らしく都会派の君達の為にまりさを連れて来てあげたよ~。存分にすっきり!!していってね!」 とでも言ってまりさを群れに放り投げる。 そうすると当然アリス達はまりさに襲い掛かり集団ですっきりしだす。 数十匹もアリスがいる為、当然順番待ちの様になる。そこを狙って収穫を行う。 全てのアリスがまりさに気を取られている為、他のアリスまで気が回らないのだ。適当に捕まえて 「君のぺにぺには凄く立派だねぇ。ゆっくりの中で1番だよ!!」 と煽る。そうすると 「そ、それはそうでしょ!ありすはとかいはだからぺにぺにもとかいてきなのよ!!」 と良い気になる。 そのスキに根元からぺにぺにをねじ切る。一瞬の事にきょとんとするアリスだが次の瞬間 「あ゛ぁぁぁ゛~~~あ゛り゛ずの゛べに゛べに゛がぁああああ゛~!!!!!」 等の叫び声を上げる。 しかし周りはまりさに夢中の為気付かないので、もっと騒がれる前に投げ捨てておく。 ぺにぺにを褒める他には 「君達がすっきり出来なくて可愛そうだから、君達の順番になるまでお兄さんがすっきりさせてあげるよ!」 と言ってぺにぺにに触れる口実を作るのも良いだろう。 この様な感じで繰り返して行けば、あっと言う間に収穫が終わる。 一通り収穫を終えると、ぺにぺにが無くなり気絶したアリスと、集団すっきりにより蔦だらけになったまりさが残るが それらは潰すなり食べるなり殺すなりすれば良いだろう。 ゆっくり茸狩りは、ゆっくりの大量発生も抑えられるし、ゆっくり茸も美味しいし、ストレスの解消にもなるので、 みなさんも参加してみてはどうでしょう? ゆっくりを相手する自信が無いという方がいらっしゃる場合は、近所の鬼意さんに相談してみましょう!! きっと親身になって相談に乗ってくれるはずです! 読んでくれてありがとうございました! なんかぐだぐだになってますが精進して行きます。 このSSに感想を付ける